かみえちご山里ファン倶楽部の中川と申します。
今週は、新潟県上越市の西側の、とある村のお話です。
昭和30年まで9集落で形成される桑取村という村がありました。
水源の森から海まで、約13kmの長さの桑取川に沿って狭い谷が続いているのですが、その上流半分が桑取村でした。
昭和30年に直江津市に合併、昭和40年代に直江津市と高田市が合併して上越市に、さらに今年周辺の13町村が吸収合併される形で大きな上越市になったのですが、今でも村の人たちは自分たちの地域のことを「桑取」と呼ぶのです。
この先、どれだけ合併しようとも、何がどうなろうとも、自分たちの地域は「桑取」なのです。
村中が親戚のような、みんなが寄り添って生きている、そんな小さな村です。
冬は北から吹き付ける風が雪をそっとおいていき、村に残された老人に重労働を課します。

私がこの村にやってきたのは、4年前のことです。
兵庫の親元を離れて、3年ほど東京で環境NGOの活動をし、エネルギー問題の関係で柏崎に移住した私は、上越を訪れた際にこの村と出会ったのです。
都会育ちの私は、「ただの山」「ただの海」「ただの村」に見えるものから、たくさんの宝を発見するのです。
山の知恵、海山の幸、温厚な人々、千年の間この谷で暮らしてきた人々の喜びや悲しみの中から生み出されてきたたくさんの行事、目にするもの聞くもの全てがわたしのかちかんを変えていきました。
そんなことを一つ一つご紹介していきたいと思います。
