「月刊むすぶ」は、そう簡単に売れる雑誌ではありません。
そこで各地の集会なんかへ行商に出かけます。たとえば産廃問題。関連の特集号や他社の関連本を並べます。集会の始まる前、中休み、終わり際に「産廃問題を取り組む住民運動の報告をのせています」と声を張り上げるのです。視線が合う、買って!買って!光線を発射。ついでにチラシも手渡す。
とにかく交通費プラスぐらいは稼がなくては!
書店では社会問題の本は売れないという。ロシナンテ社は、とにかく直接の関係を大切にして生き延びてきました。
仲井富さんのこと
仲井さんに初めてあったのは1995年の秋ごろだした。小柄な老人。1950年代から全国の住民運動の現場を回ってきた。生まれは岡山。一番最初の現場は、砂川闘争らしい。ボクなんかにとっては、もう伝説の話だ。戦後、米軍の基地に土地を取り上げられようとするのに対して地元民が立ち上がる。その反対闘争だ。
当時、権力の表現を文字通り暴力であったそうです。対する住民の武器は己の肉体のみ。工事を始めるため、敵はまず警察力で排除にかかります。座り込む住民をごぼう抜きです。流血もあります。
住民闘争のそんな現場を歩いてきた富さんはいいます。
「男はだめだね。お金をドガンと詰まれると、手が札束を掴んじゃうもの」
「そこへいくと女の人はお金では心は動ごかされないね。これまでの生活を大事にするね」
そんな仲井富さんの連載が、「月刊むすぶ」に載っています。是非、ご購読をよろしくお願いします。 バックナンバーのタイトル閲覧できます。
京都の夏
暑い。蒸し暑い。連日、30度超。座っているだけで汗をかく。
祇園祭もその昔、夏場に流行る疫病退散の祭りと聞いています。
京都は盆地で湿地帯だったからでしょう。
この時季、よく冷えてわらびモチを軽トラで売り歩く声がたまに流れてきます。家と家とが密集しているお家では、すだれやよしずが涼を誘います。
北のほうへいけば、まだマクワウリを作っている農家もあります。最近のメロンなんかに比べると素朴な味わいでボクは好きです。
暑い暑い夏が過ぎていきます。
ロシナンテ社が、誕生してこの夏で37年になりました。現在、専従は私一人です。決して商業ベースにはなりません。本当にコンビにで売れるようなレイアウトでもありません。読みやすい内容でもありません。それでも、各地の決してマスコミが十分に取り上げないような課題を取り上げてきました。1冊、1冊を売ってご飯を食べてきました。
この「今週の私」もあと一日、最後までよろしくお付き合いくださいませ。