
それもそのはず、平舘沖や陸奥湾に入り込むカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、そして小アジなどで焼き干しが作られるのは、9月下旬から12月まで。つまり、これから出来上がったばかりの焼き干しが出回る時期なんですね。
熟練した浜の母さんたちがひとつひとつ頭を取り、はらわたを除き、串に刺し、炭火であぶって乾燥させるという昔ながらの手仕事による産物。脂の乗った魚を煮出す煮干と違い、炭火でじっくり焼き上げながら脂分を流し出し、さらに香ばしい香りが加わるため、旨みがぎゅっと凝縮しているのです。
焼き干し味噌汁を飲んだときは、一気に「ホッ」と気分がほぐれ、体の隅々まで栄養たっぷりのだしが染み渡り、なんともいえない幸せな気分にしてくれます。
カルシウム満点だし、捨てるなんて考えられないので、うちでは味噌汁の具と一緒に、ガシガシ食べてしまいます。中には、そのままつまみとして食べたり、だしを取った後に水分をふき取って野菜などの炒め物に入れたりする人もいるらしい。
通販している地元のお店も複数あるようです。だしに困ったときには、ぜひ一度、お試しアレ。