2004年07月15日

京都府京都市 濱崎加奈子 4日目

祇園祭宵々山にあたる今日7月15日は、毎年、八坂神社で今様謌の奉納を行っています。これは、「伝統文化プロデュース 連」の活動ではなく、「日本今様謌舞楽会」の行事なのですが、私共メンバーは、この今様の会にほぼ全員行事に参加しており、今様のWEB事務局も担当させていただいております。
 昨日お話しました嵐山ですが、今様の会もまた嵐山に集いの場(道場)をもっています。ここ数日の間に3度ほど通いました。というのも、偶然なのですが、本年11月にポルトガルでの今様公演が決定しているからです。一昨日触れましたように、ポルトガル帰りの私は、今様の会の代表(家元)にポルトガルについて報告し、11月公演の舞台構成やツアーについて等、細かい打合せをさせていただいております。今様の公演は、11月27日(カスカイス市)、28日(リスボン市)に決定しています。どちらも素晴らしい劇場なので、機会があればぜひいらしてください。ツアーも募っております。


今様の会についてですが、連の活動および私の京都生活と深く関わっていますので、少しお話させていただきたいと思います。
 もともと、伝統文化に縁のなかった私ですが、京都に憧れ、京都で学部時代を送ることになり、伝統文化について知ることになりました。歌舞伎が大好きになり、南座(もとは古い歴史をもつ歌舞伎芝居小屋)でアルバイトをしたり、素人顔見世(12月の歌舞伎興行の後、京の旦那衆が役者さんたちに特訓を受け、歌舞伎の舞台に立つことがありました)に出演したりと、文字通り歌舞伎にハマってしまったことで、入口が開かれてしまったようです。東京・歌舞伎座にも足繁く通うようになったある日、東京からの芝居帰りの新幹線の中で隣合せた方に今様のことを聞きました。そんな偶然のきっかけでこの会について知り、嵐山にある今様道場に通うようになりました。
 日本今様謌舞楽会は、平安後期に流行した歌謡である「今様」について研究するとともに、今様について研究され、本会を設立した先代桝井泰山が復興した今様の節を保存、当代が白拍子舞などの研究をつみ、京都を中心に全国の社寺で奉納をしている団体です。今様については、記録が少ないため、はっきりしたことはわかっておりません。ましてや、白拍子との関係となると、ますますわからないことが沢山あります。ですから、いま私たちが行っている今様のやり方が、平安時代そのままかといえば、そうではないと思います。でも、当時の装束を来て、文献から想像されることを実践しつつ、さらに、自分たちのアイデアで現代に生きる今様を再興することは、とても面白いし、意義深いと感じています。
 私が初めて今様の舞台に立ったのは、祇園祭の奉納だったように記憶しています。提灯のともる八坂の能舞台で、白拍子舞を舞う。それはそれは、心ときめく瞬間でした。
 もともと神社や寺が大好きな私は、今様をきっかけに、京都の社寺に行かせていただく機会を多くもつようになり、京都についてより深く知るようになりました。(写真は、今様謌舞楽会のメンバーです。)


昨年は、今様の会にとって節目の年だったこともあり、家元の長年の夢を叶えるべく、連のメンバーが活躍いたしました。それは、「15日連続今様歌合せ」というものでした。毎年、10月に1日だけ行ってきた今様の歌合せですが、平安後期、後白河院が15夜にわたり「今様合(いまようあわせ)」を行ったという記録があるのです。いつかは、史実により近い「15日間」を実現しよう、と思っていたところを、昨年ようやく開催が実現しました。
 史実によれば、「今様合」の行われた場所は今の三十三間堂のあたり、法住寺殿というところだったのですが、昨年は、15日間、毎日違う場所で開催いたしました。第1日目が賀茂別雷神社(上賀茂神社)、2日目が八坂神社、3日目が今熊野観音寺…そして最後は平安神宮で締め括りました。平安時代および後白河院に因んだ場所ばかりです。
 おおまかな次第は、当日「題」が発表され、歌人が左右にわかれ、即興で今様(基本は七五×4節)を詠み、1番づつ勝敗を決し、優れた歌に白拍子が舞をつけるというもの。といっても、今様専門の歌人なんて世の中にそうそうおりません。知人に声をかけ、110名ばかりの「にわか」歌人が出演しました。今様は、高度な専門性もあるかもしれませんが、即興性に面白さがあり、和歌のようにじっくりと練られたものばかりではなく、率直に言葉を並べたというものがかえって良しとされることが多いように思います。そういう意味では、にわか歌人とはいえ、どこにも引け目はなく、皆が楽しく参加できて、大成功に終わりました。そして、今様の輪が広がったことは、とてもよかったと思っています。みなさんも、平安装束を身にまとってみませんか?とても楽しいですよ。
 伝統文化といえども、歴史に対するより深い探究心に加え、常に新しい試みをしていくことが大事だと考えています。伝統は「創造」するものである、と思います。それは、決して遠いところにあるものではなく、私たち自身が作りあげていくことのできるものだと思います。誰もが、創造することのできるもの。
 伝統文化にまったく関わりのなかった頃の私は、伝統というものにどこか憧れながらも、何か遠いもの、一段自分のいる位置よりも高いもの、と決めつけていたように思えます。だから、伝統の素晴らしさ、楽しさを知ってしまった今、「こんなにも面白いよ!」と、より多くの方々に伝え、また、一緒にまなんでいきたいと心から願っています。




posted by LJ21 at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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