初日ですし自身の簡単な自己紹介と住んでいる場所の紹介などをさせていただきます。
生まれも育ちも岡山県高梁市という所です。高梁市は、岡山県の中西部に位置し、県下三大河川の一つ高梁川が中央部を南北に貫流し、その両側に吉備高原が東西に広がっています。高梁市は、古来「備中の国」として中核を占め、近世では幕藩体制のもとに松山藩を中心として栄え、今日に至っているという・・・パンフレットのような紹介ですがこのような所です。
備中の国、松山藩にはその名のとおりの備中松山城というお城がございます。
よく備中高松城と間違われ、水攻めを受けたところ?と聞かれますが、現存する城の中では日本一高い所に建っている山城です。天守と二重櫓は残存していたのですが、最近大きな復元工事で、五の平櫓、六の平櫓などが復元され江戸時代の雄姿がよみがえっております。城も立派ですが周囲の山々を、城下の街や川の流れを、時間によっては雲海を見渡すことのできる眺めのいい場所でもあります。機会がございましたら一度おいでください。・・・といっても私は山口におりますが。

地元の紹介はこのぐらいにして、現在私は山口県の宇部市という周防灘に面した街に住んでおります。現在所属している学科の大学・大学院生活を経て助手となり、はや山口県に移り住んで9年目です。山口大学は人文・教育・経済・理・農学部は山口市に、工・医学部は宇部市にとキャンパスが分かれており、私も大学1年生のころは全学部共通教育を受けるということで山口市に住んでおりましたが、2年生から宇部に移り住みました。
それまで山と川しか知らない・・・というのは大げさですが、それぐらい海とは縁遠いところで過ごして参りましたので、宇部に住むようになって改めて海が近いなあ、港が身近だなあと感じていたのですが、最近では休日に車で海沿いをドライブするのが私の癒しとなっています。
工学部は常盤台という高台にございます。私はキャンパス内の総合研究棟という8階建ての棟におりまして、今朝はその8階のラウンジというオープンスペースから宇部の街並みを撮影してみました。最初は市街地方向です。手前が工学部、海際は宇部興産の工場群です。海を貨物船が通るのを見ることがありますが、私事ながら工場に円のある研究をしていることから、あああの船は九州方向へ行くのだろうか、関西だろうか、なんだか哀愁があるなあなどと、思いを巡らせることもあります。

次は湖方向です。これは常盤湖といってかなり大きいですが、なんと人造湖だそうです。江戸時代に村の領主が農産物の生産高を上げるために大きなため池を作ろうと計画したのが常盤湖の始まりだそうです。それにしても大きいですよ。一週歩くと2時間ぐらいかかりますかね。ペリカンのカッタ君のいる(いた?)場所です。
湖中央に見づらいと思いますが小さな神社もあります。あのあたりを歩いていると、はっと気がついて振り返ったときにつぶらな瞳のペリカン君が静々とついてきているかもしれません・・・。
春は桜が、夏は深い緑が、秋は赤く色づいた木々、冬はたまに降る大雪で真っ白に、春夏秋冬いろいろな景色を楽しませてくれます。

さて、私の所属する感性デザイン工学科は人間空間(建築)コースとメディア情報コースの二本柱からなる学科です。(ちなみに私はこの学科が新設されたときに1期生として入学しました。)私は人間空間コースに所属しておりまして、主には建築構造力学の演習や建築材料実験を担当しています。そう言えば先週の金曜日に材料実験でコンクリートの手練りの実習を行いました。セメントと砂・砂利・水をシャベルで混練し、写真のような試験体を作成しました。
なかなかきれいな試験体が完成しました。ミキサーで練るとなんてことはなく終わるものなのですが、体を動かして作成することを大切に考えています。

専門分野は・・・といってもまだまだ経験が浅く専門なんて言葉を使うのはおこがましいのですが、現在主に行っている研究活動は、日本近代の組積造建築物の保存に関する実験的な研究を行っています。もともと、歴史的な建築物に興味があり、どんな構工法で、材料で造られているのかを知りたいという気持ちから、歴史の研究室ではなく、材料の研究室に入ったところから今の私が存在しています。そして研究テーマとして、宇部市の隣にある小野田市に残存する旧小野田セメント製造会社(現太平洋セメント株式会社)の煉瓦造セメント焼成用竪窯「徳利窯」の保存事業における、保存調査・保存材料選定実験に出会ったことをきっかけとし、セメント製造にかかわる歴史、煉瓦造の歴史、当時の煉瓦や目地そのものの材料の性質などを解明するための研究に従事するようになりました。(この徳利窯については後日紹介いたします。)ですので現在はソフトの歴史とハードの材料という分野の間でうろうろ〜っとしている毎日を送っています。若造が何をなまいきにと思われるかもしれないのですが、どちらかに偏りたくない、ハードな物事に面した時にその奥に隠れたソフトな部分、地域・文化・歴史・人の動きや気持ちを少なからず見出すことはできないかと思っています。
ちょっと抽象的なお話で終わってしまうのですが、本日はこのようなところで初日を終えたいと思います。明日は大学を出てみたいと思います。
最近の台風や温度上昇・低下の異常気象で、わが大学の桜の木は「狂い咲き」しております。桜も空気を感じて大変ですね。
