2005年02月28日

東京都調布市 壽賀 一仁 7日目

東京では気持ちの良い晴天に恵まれた日曜日、私はJVCの友人たちと一緒に高尾山に登ってきました。冬の朝、自宅から2分歩いて多摩川の土手に上がると、高尾山は奥多摩の山並みの左端にいつも見えているのですが、実際にはなかなか行けないのが現実です。今日は、まだ先日の雪が残る山道を登り、とても気持ちの良い散策を楽しみました。

**********


高尾山の山頂からは、私が暮らす地域を一望の下に見下ろすことができます。前にも書いた通り私は立川市で産まれ、しばらく国分寺市で育ちました。一時期多摩を離れたものの、1975年から狛江市、その後1986年からは調布市と、海外暮らしを除く人生の大半を多摩で暮らしてきています。また両親の墓は、高尾山に程近い町田市の西端、相原町のお寺にあります。普段の暮らしの行動半径も考え合わせると、多摩川中流域の両岸、つまり北多摩の南部と南多摩の北部が、私の地元にあたるのだと自分では考えています。

もっとも、中学に入り、学区外の私立校に通った時から、私の生活は地元からかなり離れてしまったのが現実です。朝早く家を出て、夜遅く帰宅する生活は、東京の郊外に住む多くのサラリーマンの方と同様、地元をただ寝に帰るだけの場所に変えていました。

**********

しかし、国際協力と勇んで出かけて行ったアジアやアフリカの村で、そして訪問させていただいてきた日本各地の農村で、私は地元を自分たちのなかに取り戻していくことの大切さに直面させられました。人々が本来持っていた豊かな風土と生活文化こそが地元であり、環境破壊や貧困の背後には、地元が外部社会の政治や経済、暮らし方の圧倒的な影響力にさらされたことが必ず存在していたからです。植民地の歴史、安い農産物価格、換金作物の導入、資本家の農地所有など、全ては同根です。




そうした視点で自分の地元を振り返ると、当然のことではありますが、影響を与える側と受ける側の両面を持っていることにあらためて思い当たります。世界有数の一大消費都市である東京の一部として、日本・世界の農村に圧倒的な影響力を行使している構造に乗っかっていることは、ありとあらゆる農産物が店頭に並んでいることからも一目瞭然です。と同時に、いまだにつづくマンションの建設ラッシュと里山の破壊や、不審火などの不可解な事件の発生は、人と自然の関係・人と人との関係が崩れていることの象徴です。

**********

こうして私も今、国際協力による地元づくりの支援と自分の地元へのかかわりを両立させようと試みをはじめています。昔日の面影はないとはいえ、幸いなことに多摩にはまだ里山や田畑、雑木林が残されていますし、それらを守り親しむ人々の活動もさかんです。また、日本各地の農村とつながる八百屋さんや食堂、お店など、さまざまな結びつきの場もあります。仕事と生活を分けてよしとするのではなく、それらをできるだけ全体性をもった一体のものとできるよう、地域の集まりなどに少しずつ、あらためて結びつきをつくっています。




ちなみに、私がかかわっているジンバブエの村は、なんと「ジモト」村(!)という名前です。偶然とはいえ、これも何かの縁でしょう。アジアやアフリカの地元づくりを応援しつつ、自分の地元でもきちんと生きること。日本各地の農村とつながりつつ、地元の町でもできるだけ農的な暮らしを試み、人として地域としての自立を高めること。海外にしょっちゅう出かける「風の人」として地元に生きるのは容易ではありませんが、調布市の北に接する三鷹市の朝田さん、多摩川の川下にある川崎市高津区の浦嶋さんというLJ21のお二人に学びつつ、自分なりに実践していきたいと思っています。




1週間、お付き合いをありがとうございました。結局、日記の大半が深夜か翌朝のアップとなってしまったことに、現在の自分と持続的な農的暮らしとの大きなねじれが現れてしまってお恥ずかしい限りです。LJ21に集う皆さんとは、今後ぜひ交流を深めていきたいと思っていますので、今後ともどうぞ宜しくお願いします。(壽賀一仁記/ suga@mwb.biglobe.ne.jp)




posted by LJ21 at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。