2005年05月20日

日光国立公園 小沢晴司 5日目

おはようございます。昨日に続けて心惹かれる建物の風景をご紹介します。足尾銅山本山工場です。
16世紀半ばの天文年間に発見され、昭和48年2月の閉山まで400年間にわたり、総計約70万トンの銅を産出した足尾銅山の中心で、その後海外銅を用いていた工場での精錬も平成2年には中止されました。



これをご覧の皆様、お手元に10円玉がありましたら手にとっていただけますか。この硬貨をはじめ日本で使う銅の4割は南米チリ、2割はインドネシアから輸入しています。他にオーストラリア、パプアニューギニア、カナダなどがあり、日本では、もうほとんど銅を採っていません。

そのチリ共和国は世界最大級の銅産出国で、現在、JICAによるチリ共和国鉱害防止指導体制強化プロジェクトという国際協力活動が展開中です。日本の経験と技術蓄積を活用するとしており、それは、足尾をはじめとする、日本での鉱山事業の歴史を通じて生み出されたものにほかなりません。




類推すれば、日本最高の技術を集積し、国の産業を強力に発展させたパワーの源であった足尾は、その栄光の歴史の中で、国家政策と連動し、流域にある村や山を滅ぼしました。が、その過程で取り組まれた環境浄化に関する技術開発や、関連して整備された法制度等は、今、海外での日本の国際協力の舞台に生きている、といえるのかもしれません。
ちなみに今の日本の銅の使用量は年間約120万トンに達し、これは足尾で過去400年間に生産された銅の総量を上回ります。

絢爛と壮絶の歴史を秘めた景観と、隣接する美しい森の日光を組み合わせたツアーメニューは、まさに、我が国を代表するエコツーリズムプログラムとして、推奨されるべきものでありましょう。“足尾は、今に生きており、また、終わってはいない。”と言い得るのではないかと思います。




午後になり、那須高原へ調査と県庁担当者との打ち合わせにでかけていた施設担当と那須担当の3人が戻りました。国立公園のゴミ問題解決に昔から地元と作ってきた自然公園清掃協議会の総会に出席していた2人も戻りました。片品村へ尾瀬ラムサール登録説明に出張していた1人も夕方までに帰ってきました。彼は自然再生事業分野も担当していて、明日霞ヶ浦で行われる会議にでかけます。
現地の事務所とはいいながら基本的に土日は休みなのですが、様々な行事への対応もあり、奥日光担当の2人のレンジャーは自然観察会の監督で、明後日の日曜も、再来週の日曜も出勤になっています。(平日も忙しく代休はなかなかとれないのが実情です。)
私は、本日終日内勤で、各種電話への照会対応や事務所のスタッフとの打ち合わせ等で夕暮れをむかえました。
このブログをみた友人からメールがありました。友人は、昨年、赤城青年の家主催環境教育関東ミーティング実行委員会で一緒だった方です。行事で私は心と環境教育分科会を担当し、その中でもご案内したことで恐縮ですが、テレビ等で最近の事件をみるにつけ、大正期に社会に傷ついた少年少女のため私設感化院を開いた留岡幸助氏の言葉を思い出します。 「わが国の教育には二つの大なる欠陥がある。ひとつは人格教育の欠如であり、もうひとつは自然教育の欠如である。」
留岡幸助氏の思想・哲学の顕現の場である北海道家庭学校を、学生時代に訪ねたことがあります。そこは、冬季酷寒に包まれる北見の丘陵地に、牧場や畑とともに、カラマツの並木の奥に教会が佇む美しい環境の中にありました。




posted by LJ21 at 06:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
7年ほど前に、北海道興部に牧場の取材で赴いたおりに、家庭学校を訪ねたことがあります。そのときは取材先の方に連れていってもらい、どんな場所なのかよくわからないままだったのですが、今、ようやく判明しました。環がつながった感じです。取材先は、興部の大黒さんの牧場ノースプレインファームでした。そこで食べたアイスクリームはとてもおいしくて、それ以来、その味が私のスタンダードになってしまいました。大地も草も牛も人もみんな健康というのがその牧場のめざすこと。ぜひ、見せたいところがあると言って、連れていってくださったのでした。<BR><BR>小沢さんのお仕事がとても興味深いと事務局の二人で話しています。
Posted by LJ21 朝田 at 2005年05月21日 14:47
朝田様 この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。肩こりのする内容になっていないかどうか不安もありますが、あと2日、おつきあいくださいますようお願いします。<BR>足尾は、緑の復元活動が有名ですが、それだけでなく産銅事業そのものに光をあて、足尾の魅力を複合的に再発見していくことが重要との議論が地元で活発になっています。<BR>昨年冬、足尾町で、エコミュージアムの町作りのプロジェクト委員会が立ち上がり、そのワーキンググループに参加させていただき、地元の方々をはじめ、古河機械金属グループ、経済産業省や大学、関係機関の方々からいろいろなことを学ぶ機会を得ました。この場をお借りしまして、関係の皆様方へもお礼申し上げたく存じます。 小沢晴司
Posted by ローカルジャンクション21 at 2005年05月21日 19:21
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