2005年05月26日

新潟県上越市 NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部 中川幹太 3日目

私たちの事務所の隣に「横畑の門番」と呼ばれ、地元の人からもやかましいじいさんだと噂のおじいさんがいます。よそから来た山菜採りを追い払うことからそう呼ばれるようになったのです。
そのおじいさんは85歳になるのですが、せがれが街に出たため一人暮らしで、田畑の作業、井戸掘り、雪掘りなど、自分の生活に必要なことを一人でこなし、時には100kgを超える石を一人で運んでいるスーパーな人です。
私たちNPOのスタッフは、設立してから3年間(昨年まで)、そのおじいさんに度々怒鳴りこまれました。
「水路に石が落ちたので拾え」「雪を水路の上に捨てるな」「火をたきっぱなしでそばを離れるな」など、山の生活で放っておけば危険なことを経験の上から知っているため怒っていて、いちいちごもっともなのですが、説教が始まると1時間は覚悟しなければいけません。時には始末書も書かされました。
「おまんた(あなたたち)は山の生活を知らんすけ、こういうことをする。NPOなんて遊びにしか見えん」とよく言われました。
もちろん、危険が心配だから怒鳴り込むのですが、それ以上に、旅の者に対する不信感と排他的な感覚があったことも事実でしょう。
地域活性化を目的としている、第三セクターの温泉施設が今年で6年目を迎えるのですが、おじいさんはこれを今でも「悪の基地」といいます。
たくさんの人が訪れるようになり、山を荒らされることも増えたというのです。


私たちスタッフは、そのおじいさんを始め、地元の誰と接するときも、とにかく謙虚に学ぶことに勤めました。
その門番のおじいさんは昔の伝統文化や民具、写真などをとても大切にしていて、何やかんや言われながらも、教わることがたくさんあり、こちらが調べた資料などを持っていくととても喜ばれました。
その他、そのおじいさんの稲刈りの手伝い、雪掘りの手伝いなどを行ううちに、私たちとおじいさんは春の雪解けのように打ち解けあえるようになりました。
いかに組織の評判が良くても、全ての人に信頼されているわけではない。一対一の信頼関係でしかないことを思い知らされる出来事でした。
温泉施設も、その従業員が施設の外に出て粘り強い関係作りを行えば、いつの日か「悪の基地」ではなくなるときが来るかもしれません。
あるいは、そのクッション役をやるのが私たちNPOの役割かもしれません。




posted by LJ21 at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 新潟県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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