2006年07月16日

東京都杉並区 楊英美 6,7日目

昨日は雷で電車が止まったり、ひょうが降っていたそうですが、皆さんご無事でしょうか。一週間色々と書かせていただいて、ありがとうございました。今日で最後となりました。

BTH2621949_1B.jpg日本は多島圏であり、人が住んでいる離島は300近くあります。九州の熊本県には天草市というところがあります。無数の島々が浮かぶ美しい天草諸島に、60年代に天草五橋という5つの橋が架けられ、それまで様々な面で苦しんで来られた島民の方々の悲願がかなえられたそうです。

しかし、その中で橋がかからなかった島がありました。それが、御所浦島、牧島、横浦島からなる御所浦町です。その後、御所浦島と牧島の間に橋が架けられ、現在は、御所浦島と横浦島の間の架橋工事が進行しており、さらに横浦島と天草半島(本土から橋でつながっているために半島となる)の間の架橋を実現させよう、というのが目標にされています。



天草や瀬戸内海のような、内海の島々にとって、架橋の是非を問うことは、恐らくとても重要な問題であると思います。そしてそのことによって、意見が割れもするでしょうし、架橋を経て、痛切な問題が多々生まれているのも事実です。

島で生活しているわけではないので、このことに関して意見を言うのは無責任になってしまう危険性がありますが、私は御所浦町が離島のままである方が良いと思っています。架橋工事にかかる莫大な費用や、環境への影響もさることながら、瀬戸内海に見る、架橋後の地域の急激な過疎化や、本土と比較された時に競争力のない島の生産業が衰退していく様は見たくない、と思ってしまうからです。橋が架かれば島民とはいえ、島内の生産品より安い本土の生産品を求めるようになるでしょう。

今の御所浦は、島内で自給自足し、家の戸に鍵をかけることなく、港には怪しい他所モノが入って来やしないかと目を光らすタクシー運転手がいて、電話一本でどこにでも馳せ参じる貸し切り船(海上タクシーのことを島の人はこう呼ぶ)があって、とてもとても面白いのです。御所浦の港に発着する船の量は、全国の港の中でも上位に入るそうです。

便利さとは何か、これはシンポジウムのときにも話されたテーマですが、谷口氏は「川下ではなく、川上を見なさい」と、何度もおっしゃっていました。離島では公共事業がなければ食べていけないが、そのことによって漁業が不振に陥るという矛盾する仕組みを抜け出し、川下の便利さを求めるのではなく、そこにしかない豊かさを、島民が享受し続けて行かれるような仕組みを作っていけたら、と願うばかりです。

今後も御所浦ならではの面白さを追求していきますので、温かく見守っていただければ幸いです。拙文にも関わらずおつき合いくださいました皆様、本当にありがとうございました。また、ご意見、ご質問などいつでもお待ちしております。

楊 英美
またたび 


posted by LJ21 at 18:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当時から変わらない楊さんらしい活動をしてらして、とてもうれしく思います。今後もこのような活動を通してアートと旅と人間と、さまざまなものを結んていただけたらと感じます。がんばってください。
Posted by 哲学堂メンバ at 2006年09月28日 10:33
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