2006年09月20日

十日町市中里地域 高橋 剛(3日目)

越後妻有(十日町市・津南町)は秋が訪れ、稲刈りが始まりました。日本で一番おいしいお米魚沼産コシヒカリの産地でもあります。
昨日は大地の芸術祭の概要をお伝えいたしましたが、今日は作品制作のプロセスと地域の元気づくりの仕組みをお話したいと思います。



大地の芸術祭は、一般的な美術館や展覧会と違い、実に多くの、実に多様な人々によって運営・開催されています。それは、多くの方が関わることで共に目的を達成しようという協働の精神を大切にした事業であるからです。住民の代表からなる大地の芸術祭実行委員会が主催しており、十日町市と津南町から構成される広域事務組合が事務局を担っています。コーディネーターとして株式会社アートフロントギャラリー(以下AFGと省略させていただきます)に委託しており、プロジェクトの企画、予算組み、運営の計画から作品設置場所の選定までさまざまな調整を行います。私の係の役割は企画運営全体の検討から、AFGから選ばれたアーティストと地域をつなげ、作品の協働制作のバックアップをすることです。
アーティストが感銘を受けたある場所、ある集落で作品づくりをするわけですが、集落のみなさんが「一緒にやりましょう」と簡単に協力してくれるわけではありません。というのも、もともとこの地域は都会と比べて、モノ・人・情報などの出入りが激しくなく、閉鎖的な特長を持っていることに加えて、普段の会社勤めに農業や除雪作業を毎日行い、生活に余裕がなくなっているからです。アーティストの皆さんはまず、自分の思いや熱意を集落の方に伝え、この壁を打破しなくてはなりません。「この場所はこんなにステキな場所だ」「自分の作品によりこの自然を感じてほしい」など作品の意図は様々ですが、その意図や目的をあるときは集落作業の中で、あるときは杯を交わしながら、徹底的に話し合います。やがて集落の方もアーティストの熱意や取り組みに感心し、手伝い始めます。作業の中には専門技術が必要なこともありますが、集落内で完結できることもあるし、隣集落の知り合いにお願いして済ますことができることもあります。(何でも集落内で完結できるところがすごいと改めて実感しました。)このように作品を作る作業の中で世代を超えて、地域を越えて、職種を超えて多くの人が関わり合い、協働が生まれました。
そして、この作業に欠かせない存在が「こへび隊」です。こへび隊とは、都市部の学生が中心となり、大地の芸術祭のサポート活動をしている団体ですが、「都会の」「若い」「がむしゃらな」彼らの活動に地元の人達も感心し、アートを理解するわけでなくとも、彼らの姿を見て協力しようという気持ちになった人は少なくありません。
 こへび隊にとっても、妻有地域の人情、自然、コミュニケーションは今まで感じたことがなく、大いに刺激となり、この地域にお金やモノを得るわけではなく労働に勤しむことになっていったのです。

またまた、長くなってしまいました。続きはまた明日お話します。


posted by LJ21 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 新潟県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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