2006年09月26日

沖縄県竹富町 飯田泰彦 2日目

《素足で感じる竹富島ツアー》

 NPOたきどぅんでは、竹富島の美しい集落内を徒歩による観光に切り替えていこうと、新しい交通システムを考案したり、個人の希望に応じた島内散策のツアーを企画し、実施しています。これまでに「竹富島のオン(御嶽)めぐり」「竹富島の古謡と歴史を訪ねるツアー」「竹富島の井戸めぐり」などを実施してきました。

 そのなかでも、特に「素足で感じる竹富島ツアー」は好評を得ています。ガイドを務めるのは島のお年寄り。ちなみに、定員は2人から承っております(詳細はホームページをお訪ねください)。

ゆがふ館の案内をスタッフから受けたあと、島最大の祭祀・種子取祭の会場となる、世持御嶽の境内に移動します。ここからの案内は、島の大先輩のおじいさんやおばあさん。竹富島の美しいまちなみを、お年寄りと歩きながら体感していただこうという、ゼイタクなツアーです。白砂の道を歩み、民家に立ち寄り、その軒先でお年寄りとユンタク(おしゃべり)し、お茶を楽しみます。そして、民俗資料館の喜宝院蒐集館(→写真)で、館長の上勢頭芳徳さんから、民俗資料の解説を受けて終了です。

(写真は追って掲載します>LJ21事務局)

 今日の参加者は5名(→写真)。私のつたない館内の案内を、熱心に聴いてくださいました。
ありがとうございました。
「島の人口はどれぐらいですか」
「ミルク神はどのような神様なのですか」
「『ゆがふ』とはどういう意味ですか」
「今年の種子取祭はいつですか」などなど。
わずかな時間でしたが、たくさんの質問をいただきました。
はたして、充分に答えることができたかどうか…。

ツアーを終えた一人が、ゆがふ館にもどってきて、「楽しいツアーでした」と報告してくれました。特に、今日のガイド役である古堅節さんの歌あり、踊りありの解説には、感動したそうです。写真はガイドを終えて、ホッと一息の古堅節さん。

《第83回敬老会》

 とにかく、竹富島のお年寄りは本当に元気。
みなさんそれぞれ個性的で素敵です。

そんな先輩方を敬い、あやかろうとする、恒例の敬老祝賀会が、24日に、まちなみ館で開かれました。明治40年生まれの大浜太呂さん(100歳)を筆頭に、85名の敬老会員を、島あげてお祝いしました。

島の全人口のうち、敬老会員が占める割合を考えると、竹富島は超高齢化社会だといえます。それでいて、老人が楽しく健康で暮らせるのですから、竹富島は進んだ地域だと誇らしく思います。大勢のお手本となる先輩方の背中をみながら、後輩も歩んでいきます。

 今年70歳を迎えた6名が、新たに敬老会員となりました。6名を代表して、大山祐達さんが「早く一人前の敬老会員になりたい」と挨拶していたのが、印象に残ります。竹富島で、70歳はまだまだ子供だというのでしょうか。

祝賀会では、スピーチや祝電をはさみながら、芸能づくしというのも、竹富島ならではの光景。保育所や各集落などから数々の芸能が披露されました。

 敬老祝賀会は、国が定めた「敬老の祝日」よりも歴史が古く、大正13年にはすでに行われています。今年度で83回の会を重ねているのも驚くべきことです。

《今年度種子取祭の日程》

 NPOたきどぅんの受託事業のひとつに、西表国立公園竹富島ビジターセンター「ゆがふ館」の管理・運営があります。館内の案内は日常業務ですが、島を訪ねる観光客の方々の、思いもよらぬ質問に、たじろぐことも多々あります。
 今日の「素足で感じる竹富島ツアー」でもあったように、最近は、種子取祭が近づいてきたこともあり、その日程について問われることが増えてきました。
 種子取祭の日取りの決定は、年中行事の節願いの日から数えて49日目の戊子(つちのえね)の日を種子取の祈願にあて、その前後9日間が祭祀の期間と意識されています。
 今年は10月22日に始まり、30日の支払い議会で終わります。一番にぎやかなのは、第7日目(28日)、第8日目(29日)で、2日間にわたって約70あまりの芸能が披露され、島は華やいだ雰囲気に包まれます。

《ゆがふ》

 もっとも多い質問は、当ビジターセンターの名前「ゆがふ館」の意味を尋ねるものです。今日も何件か承りましたが、そのたびに『「幸せな世」をイメージした言葉です』と応じています。そういえば、NHKの朝の連続ドラマ「ちゅらさん」で、沖縄県出身者の経営する居酒屋の名前も「ゆがふ」でしたね。ちなみに、「ゆがふ館」の命名者は、NPOたきどぅんの理事長・上勢頭保さんです。

 「ゆがふ」というと、本土では聞きなれない言葉ですが、琉球方言の基本的な音の変化の法則にしたがうと、語源を容易にたどることができます。
その法則は基本的に南西諸島全域に通じます。それは日本語にあらわれる5つの母音「ア・イ・ウ・エ・オ」が「ア・イ・ウ・イ・ウ」と3つの母音になる法則です。つまり、「エ」の音は「イ」に、「オ」の音は「ウ」に変化します。例えば、「アメ(雨)」は「アミ」、「ココロ(心)」は「ククル」、「ヨメ(嫁)」は「ユミ」などです。

この「ゆがふ館」の名称も、意味から漢字を当てると「世果報」です。「果報」と漢字を宛てると、「果報者」「果報は寝て待て」などの言葉もあるように、理解しやすくなります。
上の法則にあてはめてみると、「世果報」は、「ヨ」が「ユ」に、「カホウ」が「カフ」に変化した語が結びついた言葉だと説明できます。とりわけ、「世」には豊かな恵み、五穀豊穣をイメージする意味が含まれています。
したがって、「世果報」は「果報なる世」。つまり、豊年や豊穣、さらには「幸せな世」となるわけです。普通、「世」は「苦世」「甘世」「くばぬ葉世」というように修飾語が上につくものですが、「世果報」は逆になっています。

現在、「世果報」という言葉は、居酒屋の名称になるぐらい、一語として定着しています。また、豊年を招来する雨という意味で「ユガフアミ(世果報雨)」などと、形容詞として使ったりもします。さらには、「世果報世」なる言葉も生まれてきました。
琉歌(沖縄の定型詩)には「嬉しさや今年 よがほ世のしるし 道を行く人も 歌ようたて」という一首があります。道を行く人が歌をうたっているのは「世果報世」のあらわれだと、喜んだ歌です。
 竹富島では、芸能は祭事で神に奉納するかたちで演じられることが、多くあります。今の季節、祭事行事が続くので、毎夜奉納芸能の練習で、歌や狂言の台詞がどこからか聞こえてきます。これも「世果報世」のあらわれなのでしょう。

歌と踊りの竹富島。
お年寄りの元気な竹富島。
竹富島は祭りの島。
竹富島はゆがふ島。


posted by LJ21 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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