2006年10月09日

東京都品川区 渡邉 尚 1日目

コンニチハ
はじめまして
トージバ渡邉と申します。

この度はご縁を頂き、「ローカルジャンクション21」さんのブログに投稿させて頂く事になりました。
皆様ヨロシクお願い致します。
さて、一回目は簡単な自己紹介とわたくしたち特定非営利活動法人トージバについてのお話をさせて頂きます。

トージバは都市と農山村をむすぶことを目的とし、「食」と「農」をキーワードとしています。
農村部では東京近郊の遊休耕地 で都市生活者が身近な農作業をはじめていく「はじめる自給プロジェクト」大豆レボリューションや、都市部での情報発信の「場」として休業中の銭湯 や都内のカフェや公園を使ったマーケット等の「コミュニティカフェプロジェクト」などを行っています。

「トージバ」には、日本の文化である「湯治場」の様に、多様な価値観を受 け入れ、様々な人が交流できる「場」を日本のあちこちに増やそうという思い がこめられています。「湯治場」とは、農閑 期の農家さんがお米などを持ち寄り ながら温泉場に長期滞在し、湯につかって病気などを治す場所のこと。
学生時代は国内外へ旅ばかりしていたわたくしはどの国に行っても、モスク、
市場、カフェなど、多様な人種・習慣・価値観・生き方をもった人が集まり、見ず知らずの自分 を受け入れてくれる「場」があっ て、人間を育む上で大事な場所だと感じて た。 大学を卒業して企業に勤め、転勤先の東北で訪れた「湯治場」が、海外で出会 ったそのような「場」と重なった。
 
トージバでは「半農半X」というライフスタイルを提案しています。「半農 半X」というのは、「農」と関わりがある暮らしをしつつ、自分の好きなこと =「X」をして生きること。半農半歌手、半農半ライター、半農半デザイナー など、「X」の部分は人それぞれです。九州に転勤した時、まだ「半農半X」 という言葉もなかった頃ですが、最低限の現金は陶芸の仕事で得て、 焼き物が 売れなくても自分達で作った米や野菜があればが家族はなんとか食べられると いう生き方をしている人達と知り合って、自分も企業の中で生きていくより、 そういう風に生きたいと思いました。
27才で退職し、実家がある東京に戻りました。しばらくはIT関係の仕事を していましたが、縁あって名古屋の日本福祉大学が100%出資している (株)nfuという会社で研究員として働くこ とになりました。日本福祉大学 では都市農村交流事業を行うた めの人材を募集していて、トージバの構想を企 画書にして出し、支援を受けられることになりました。 

東京に戻ってIT関係の仕事についた時、僕は初めて通勤ラッシュというも のを体験しました。大学時代に一緒にラグビーをやっていた仲間でパニック障害になってしまった友人がいて、体も心も強 いやつが毎日ああいう電車に乗って、会社に勤めるうちにそういう状態になってしまったのかと思うと、都市の暮らしが人間という生き物にとってどれだけ負担なものか、身に染みて感じま した。

そんな時、共通の友人の紹介で、現在トージバの理事・事務局を務めている 神澤則生氏と知り合いました。当時、神澤は山梨県を中心に活動をしている「NPO 法人 えがお・つなげて」の理事をやっ て いて、「お前いい体してるな〜」と 山梨の畑に連れて行かれたんです。 20 年くらい経って、木が生えてしまった休 耕田を、ドロドロになりながら開墾しました。土に触れ、食べ物 をつくるとい うは精神的にも肉体的にも、人間にとって大事なことな んだなぁと、はじめて実感させられまし た。僕は、心を病んだ人も畑で汗をかいてくたくたになって、夜ぐっ すり眠る という生活をすれば元気になれるんじゃないか、頭だけで 働いてるという状態 がダメなんじゃないかな、と思っているんです。
都市に住んでいる人が週末に気軽に行ける2時間圏内の距離で、使われなく なった畑を活用して、都市の人も人手不足の農山村も元気になれたらすごくいいなぁとこの時思いつきました。

トージバでの僕らの活動は「半農半X」につながるためのステップワン。「食」や「農」を通じて様々な気付きの「場」となればと願っています。
「大豆レボリュ ーション」は一反=300坪の遊休耕地を開墾し、みんなでシェアして「大豆から自給をはじめましょ う!」というプロジェクトです。東京近郊2時間圏内で週末に気 軽に行ける距離の遊休耕地を借りて、種まき、草取り、収穫、脱穀、加工までを行います。一反の畑を 50人でシェアすると一人あ たり約2 の大豆の収穫があって、そこに 麹と塩を足して味噌にすると約6、7 キロになります。これは、日本人が年間ひとりで消費する味噌の量と大体同じで、味噌だけは自給自足できる。けっこう大きいでしょ?

この「大豆レボリューション」をはじめるのきっかけは、農業仲間から「千葉の方に小糸在来のすごい美味い大豆があるぞ」と教えてもらったこと。市場には出回っていないけれど、日本には300 種以上の大豆の在来種があるんですよ。その土地の風土に根付いた在来種の大豆は農薬がいらない。背丈が小さくて収量は少ないけどすごく生命力に溢れています。

この前NHKを観ていて、遺伝子組み換えで農薬をたくさん使って栽培しているブラジルの大豆が一俵=60キロで8ドルで取引されていると聞いてショックでした。僕たちがおつ き合いしている豆腐屋さんが国産で無農薬の大豆を一体=30キロ買うとしたら1万8千 円。これだけの値段の差を、ただ「無農薬だから買ってください」では消費者 は理解できないと思います。

でも、自分で種を蒔いて育てると一体1万8千円 というのがよーくわかるんですよ。多くの人が実際に「種を蒔く」という行為を行うことが、この大きく崩れすぎたバランスに気付きこの溝を埋めることにつながる方法だと思っています。ベランダのプランターでもいい、一粒でも種を蒔いて大地と土ととつながって普段の生活の中に「農」を入れ込むことが必要だと思います。

「食」と「農」の気付きを伝える為には農村部での活動だけではなくて、都市での情報発信をする場所も必要でした。休 業中の銭湯を借りて開いた「トージバ銭湯カフェ」では、とても おいしい在来種の大豆(小糸在来)やおからなどを使ったランチサービ スを提供しその味にびっくりした人が畑に足を向けるという動きを生み、映画の上映、ライブ、落語などの文化活動の「場」としての役割をもたせました。今、銭湯は一年間に50 軒というスピードで廃 業・休業になっていています。利用する人が少なくなったら、すぐ壊してしまう、使わなくなってしまうというところが畑と一緒で、もったいないなぁと思っていました。お湯に入る以外に も、地域の中での役割っていうのはあると思うんです。

また、今年からは東京都国分寺にあるオーガニックカフェ「カフェスロー」と環境NGO「ナ マケモノ倶楽部」とのコラボ企画として、「地大豆カフェ」と「半農半X」というイベントもやっています。「地大豆カフェ」では、大豆に関わっている農 家さん、問屋さん、豆腐屋さん、「大豆で8時間はしゃべれる」という人たち が一堂に会して、大豆について色んなトーク セッションをしたり、色んな在来 種の大豆、「地大豆」で作った豆腐の食べ比べをしたり。

「半農半X」で は、「半農半X」の提唱者の塩見直紀さんに「半農半X」とはこう いうもの だ、というのを語っていただきました。他にも自分の暮らしの中に農との関わ りを持って、実践されている方に話をしてもらって、「都市に住んでいてもこういう形で農との関わりは作れますよ」と、色んな農との関わり方を紹 介しています。

また、月に一回、農家さんとお客さんが出会える場所として「東京朝市 ア ースデイマーケット」という市を東京の代々木公園で開いています。
カフェや朝市に来た人が、自分も大豆の種を蒔いてみたいと畑に来てくれたり、出会った農家さんから直接お米を買うようになったり、そういう流れやつながりが生まれるようになりました。

農家さんの特に年配の方は、「草一本生やしちゃいけない」という思いがとても 強いんです。草が生えていると「あそこは怠けている」「雑草の種が飛んだら 迷惑がかかる」とか、周りの目もあって。作物を作っていない畑でも、トラク ターを回して裸の状態にしています。でも、何も生えていない畑は土を押さえ るものがないので、風が吹くと土がばーっとまってしまい、成田周辺では飛行 機が降りられなかったこともあるらしいですよ。これは砂漠化と一緒だ、と思いました。

砂漠化を抑えようと、畑を耕さなくてすむ「不耕起栽培」という農法で、そ ういう畑を活用して作物をつくったのですが、とても大変でした。自分の土地 だったら何を言われてもいいけど、又貸しで借りている土地だったから、貸し ている人に苦情が来てしまうんです。「あんな人たちに貸して」とか「あんなの畑じゃない」とか。農地を借りるには不動産屋さんがないから、信用しかないんですよね。トー ジバでも、最初は 数年かけてその土地で信頼をつくってきたような人が間に入ってくれたりして、そこから徐々に信頼関係を築いてします。少しずつ僕たち の活動を理解してもらって、土地を持っている農家さんの意識を変えていくことや多様な形での「農地」「世代」「価値観」の引き継ぎも大切だと思います。

現在「大豆レボリューション」は啓蒙のための活動なんですけど、本当は実際に日本の大豆自給率に影響が出るくらいのレボリューションにしていきたいですね。今、トージバでは東京近郊の5カ所の畑でいっぱいいっぱいだけど、仙台とか、一度住んだことがあるんですけど、土に触ったことない人がいて、各地の地方都市にも遊んで いる畑もいっぱいあるんですよ。他 の団体の方々とやるのでもいいし、全国の都市に こういう活動が広げられたらいいと思います。「半農半X」で食べていける 団塊の世代と、団塊ジュニアの世代と、という人々のネット ワーク、お金はそんなになくても、うまい飯と酒があって、 仲間がいて…そういう人達の輪をもっと広げていきたいと願っています。


ラベル:半農半X 大豆
posted by LJ21 at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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