今日は、醤遊王国の写真をはさみながら、醤油の種類について書くことにします。
まず、魚醤というのがあります。魚醤は魚介類を原料として発酵させてつくる調味料で、秋田の「しょっつる」、奥能登の「いしる」、香川の「いかなごしょうゆ」が日本の3大魚醤といわれています。

しかし、魚醤は動物性の原料を使用しているのでJAS規格で定義されているしょうゆには入りません。
醤油の種類はJAS法で5種類に分けられています。(数字は出荷量%)
こいくちしょうゆ(83.0%)
大豆と小麦がほぼ等量 調理用から卓上用まで万能
最も一般的 全国でつくられ、使われる
うすくちしょうゆ(13.9%)
大豆と小麦がほぼ等量 煮物、調理用に向く
食塩量がこいくちより1割程度多い 色が淡い
たまりしょうゆ(1.5%)
大豆がほとんどで小麦少量 照り焼き、佃煮など
主に東海地方でつくられる 色が濃く、うま味強い
しろしょうゆ(0.8%)
小麦がほとんどで大豆少量 吸い物・茶碗蒸しなど
愛知県碧南地方生まれ うすくちよりさらに淡い
さいしこみしょうゆ(0.8%)
食塩水の代わりに生醤油で仕込む 主に卓上用
山口県柳井地方発祥 色・味・香りとも濃厚

醤油ソフトクリーム、醤油プリン、醤油だんご、たまごかけごはんなど。
うすくち醤油と減塩醤油を勘違いされているお客様もいらっしゃいます。うすくち醤油は塩分が薄いのではなくて色がうすいのです。むしろ塩分は高いです。
減塩醤油の食塩分は通常のこいくち醤油の約半分ですが、最初から塩分濃度を低くして仕込むわけではありません。通常の食塩濃度でできた醤油から、電気透析法という脱塩装置などによって、食塩分だけを取り除いて減塩醤油ができるのです。
それにしても、なんでもかんでも減塩!減塩!というのはどうかと思います。食塩の取りすぎはいけませんが、適度に摂取することは健康維持のために重要だと思います。

棒に体重をかけると醤油が出てきます。ここで搾った生醤油を買うことができます。
JAS法では、醤油に火入れを行わず、膜などで精密なろ過除菌をして火入れの殺菌処理をしたものと同等であるものは「生しょうゆ」と表示して製品化することを認めています。一方、もろみを搾って得られたままの液体を「生揚げしょうゆ」といいますが、酵母菌・乳酸菌が生きています。ろ過除菌しなくても「生しょうゆ」と表示できるようになってほしいものです。


わさびが生育し、サワガニもいます。
生醤油(なましょうゆ)と生醤油(きじょうゆ)の違いは何でしょう?
「なましょうゆ」というのは加熱殺菌していない醤油です。
「きじょうゆ」というのは、本来、料理用語で、市販の醤油そのものを意味します。つまり、お鮨屋さんなどでダシなどを加えた「合わせ醤油」に対して、調合していないという意味で「きじょうゆ」という言葉が使われるようです。加熱殺菌のあるなしには関係ありません。
「なましょうゆ」のことを「きじょうゆ」と呼ぶお客様が多いんです。
