そしてこのブログも最終夜となりました。
醤油の地域性
お客様に工場をご案内できるのも、弓削多醤油が麹づくりから一貫して醤油を製造しているからです。1914年には約12000社あった醤油メーカーは、第二次世界大戦後に約6500社になり、現在では約1400社となっています。その約1400社のうち、麹づくりから醤油を製造しているのは150社程度とも言われています。各地域の食文化・食習慣と結びついて発展してきた醤油は、味や香りに地域性が見られます。その多様性を守っていきたいものです。
醤遊王国でも全国の醤油というコーナーをつくりましたが、今後も醤油についてもっと知ってもらえるように、楽しく学べる空間にしていきたいと思います。
穀物自給率
人口増加による穀物消費の増加+飼料用穀物消費の増加+エネルギー源としての穀物消費の増加=世界的慢性的な穀物不足→日本の食糧は大丈夫?→醤油屋に何ができる?
大豆・小麦という穀物を原材料にしている醤油メーカーが、できるだけ国内産の原料を使用していくことで、穀物自給率の増加と日本の農業建て直しの一助になれませんかね?
さらには、できるだけ国内産の有機大豆・有機小麦を使用していくことで、食の安全性を確保と、農場周辺の自然環境保全の一助になれませんかね?
バイオプリザベーション
加工食品にはかつてない厳しい衛生管理と品質管理が求められている一方で、保存料などの添加物を極力使用しない製品が求められています。レトルト殺菌や無菌製造システムでは適用できる食品が限定されるし、低温管理にも潜在的な危険性があります。脱酸素封入にしたり、pHを変えたり、水分活性を下げたりしても完全ではないでしょう。もう現状の加工、殺菌方法では対応が困難だと思います。この問題を解決するのに、日本の伝統的な発酵食品の知恵や技術が応用できないかなと考えています。醸造には欠かせないカビや酵母や乳酸菌や、それら微生物が作り出す物質などを食品保存技術に活用していくこと・・・小さな醤油メーカーにも何かできることがあるはずです。
雨読晴耕村舎
今年1月14、15日に開催されたニッポン食育フェア2006のころは、私は餅メーカー勤務でした。雨読晴耕村舎の後藤さんが作ったもち玄米を発芽玄米餅にレトルト加工させていただいたことがきっかけで、食育フェアにもお手伝いで参加したわけです。その後、後藤さんを通じていろいろな人と出会い、自分の中で少しずつ何かが変化してきて、ひょんなことから弓削多醤油で働くことになりました。今後も日本の環境保全型農業を支援する仕事・活動を通じて、田園型・循環型社会の実現に協力したいと思っています。
今年出会ったばかりとは思えないくらいのお二人です。
今回のレポートは連日、醤油の向こうに広がる奥深い世界を垣間見せていただけたと思います。先日の新米パーティでいただいた「なましょうゆ」は毎日、大切に味わっています。
今度、王国をお訪ねしなくっちゃ!
醤遊王国にはぜひお越し下さい!
工場案内させていただきます。