大紀町(たいきちょう)は平成17年2月に、旧大宮町、旧紀勢町、旧大内山村の3町村が合併した町です。町の総面積の91%が森林で、標高500〜1000mくらいの山々に囲まれ、地形は全般的に急峻で平坦部が少なく、農地は大内山川、藤川、宮川に沿った地域にわずかに点在しています。また、源流の町でありながら、紀勢地区には海もあり恵まれた自然環境にある「大紀町」からの話題をお知らせしていきたいと思います。
今日は季節はずれですが、アユについて書いてみたいと思います。大内山川、藤川、宮川では6月から11月頃にかけてアユ捕りが盛んになります。生業として川漁師をしている人はいませんが、シーズン中は地元の人と町外からの友釣り客で賑わいます。

アユを捕獲する方法は、「友釣り」「しゃくり」「コタカ」「巻網」「ヨリ」「夜ぶり」などがあります。「友釣り」は、おとりアユに針や糸などの仕掛けを付けて、長い竿でアユの縄張りに泳がせることで針に引っ掛けて釣る漁法です。「しゃくり」とは2m程度の竹竿の先に針を付けて、ウェットスーツと水中メガネで川に潜り、泳いでいるアユを針に引っ掛けて捕る、私が一番好きなアユ捕りです。「コタカ」「巻網」は網で捕り、「ヨリ」は秋に海へ下るアユを、流れの緩やかな場所で孟宗竹500〜600本ほど使って川を堰き止め、コタカなどの網で捕る方法です。最後に「夜ぶり」ですが、夜の川にウェットスーツと水中メガネ、防水の懐中電灯を点けて潜り、「しゃくり」でアユを捕る方法です。
これが主なアユの捕り方ですが、町内でも地域によって呼び方が違ったり、捕り方も舟を使った漁法などまだまだたくさんあります。私が出身の大内山地区では「アユ」のことを「アイ」と呼びます。なぜかと思い昔からアユ捕りをしている長老に聞くと、昔は川が生活の中心で、アユ捕りはその中でも最も楽しい遊びで、スリルもあり、捕るのも面白く、食べても美味しいアユを愛していたということで、「アイ」と呼ぶようになったそうです。

今は生活も遊びも川から離れてしまい、アユ捕りをする子供や若者が少なくなってきました。先月、大紀町で地元学をしたときに82歳の方が4年前まで「しゃくり」をしていたと聞きびっくりしました。自分が一番上手いと自慢していました。来年は久しぶりにやってみよかということになり、私の友人と一緒に来年はその技術を学びに川に行きたいと思います。楽しみです。
*写真は大紀町HPからお借りしています。
ラベル:三重県 大紀町 川 アユ釣り
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