2007年02月02日

東京都新宿区 大江正章  5日目

 きょうは、朝10時から、日本有機農業学会の編集会議が、都心部の半蔵門でありました。この学会は99年12月にできた新しいもので、研究者のみならず、生産者、農・食・環境に関心をもつ生活者や自治体職員などを会員としています。コモンズは2001年の第1号から、その学会誌『有機農業研究年報』を発行してきました。学会誌と言っても、専門性という名の下にタコツボ化した研究を発表するのではなく、農業界以外の人びとが大きな関心を農にいだく現状を反映した内容とすることを意識しています。関心のある方々、ぜひご入会ください。

 ご存知の方も多いでしょうが、昨年12月に有機農業推進法が成立。これまで、農水省や農協、そして農業学者から異端視されてきた有機農業をめぐる状況が変わっていきます。国レベルでは「有機農業推進基本方針」の策定が開始され、それをうけて都道府県では「有機農業推進計画」の策定作業が行われる見通しです。こうした状況のもと、今年の12月に出す第7号では、有機農業の技術開発をどう進めるかをテーマにすることに決定。細分化された近代技術的発想ではなく、現場が積み上げてきた技を反映させた内容としようと話し合いました。
 会社に戻ると、福岡の宇根豊さん(農と自然の研究所)の完全原稿が届いていました。題して『天地有情の農学』。これまでの宇根さんの仕事の集大成とも言える内容で、彼の言葉を借りれば「百姓仕事の底に流れるまなざしの学」です。第1稿のコメントをしたのは、ちょうど2年前でした。それから、加筆や再構成を行い、ようやくまとまったのです。書き下ろしの単行本の場合、これくらいの時間がかかるケースは、そう珍しくはありません。著者の思想や活動が熟成されていって、新鮮かつ大胆な作品が生まれていきます。今年の小社にとって、いえ日本の農と自然・環境を考える人びとにとって、きわめて重要な成果になると確信しています。

 宇根さんには共同執筆で何冊もの本にご登場いただき、単著は今回ははじめてです。緊急のテーマなどで何人かの人をまとめて本を創るのもまた楽しいのですが、最近は単著にウエイトを置くようにしています。一人の著者と真剣に付き合い、ときには厳しいやり取りをしながら、創りあげていくのはとても魅力的な仕事です。とくに、最初の本を書く場合はかけるエネルギーも半端ではありません。そのお手伝いをできるのは、月並みですが、編集者冥利につきます。
 去年のそうした作品の代表は、近藤恵津子さんの『わたしと地球がつながる食農共育』。彼女は教員ではありませんが、東京都内の小・中学校で総合学習の時間に授業を行っていて、好評だったテキストをベースにまとめました。とかく食育は「朝ご飯をしっかり食べましょう」というような、上からの道徳的押し付けになりがち。しかし、大切なのは、食と農の深いつながりを知り、何をどう食べるかが世界の食料事情や環境問題に関係している事実を理解することのはずです。
 いま22時半。もう少しだけ仕事をして、きょうは月曜日以来、自宅で夕食を食べます。 


posted by LJ21 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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