豚の放牧地作りの作業の手を休めて、枇杷の葉茶で一服しながら周りをふと見回すと、太い椿の古木に目がとまりました。
その幹には直径20cmくらいの穴が空き、そこから小さな椿の芽が出ているではありませんか。まるで有袋類の母親が子袋のなかで慈しんで育てているようにも見えます。

古木が自分の寿命を悟り新しい生命を残そうとしている健気な意志を感じてしまいました。(我がブログ「氏本農園・祝島だより」既述)
しかし命がつながるには、古木に根を張るのではなく、大地に根を張る必要があります。このままでは古木の願いは叶いません。
ただこのような自然(人智を超越した大きな存在=Something Great)の営みに対して、私(人)が植え替えなどの手を貸すべきかどうか悩みますが、一方ではその自然が私に手を貸すよう差し向けるため、あえて見つけさせたとも考えられます。
以来毎日のように観察していますが、子椿は子袋から身を乗り出す子供のように、少しずつ陽光を求めて穴の外へ向かって伸びてきています。
