2007年06月03日

北海道佐呂間町 安永淳 5日目

今日、トップファームの奥さんから祝島の枇杷をいただきました。氏本農園の氏本長一さんからの斡旋です。氏本さんは「今週の私」の4月30日から登場されました。
トップファームは、氏本さんが以前お勤めだった宗谷肉牛牧場とお取引がありました。氏本さんが祝島に戻られても、いまだにお付き合いがあります。
九州育ちの私には、懐かしい味でした。学校の帰りの雑木林で枇杷をほおばり、決まってお腹を壊してしまう思い出です。
前回食べた記憶がないほど久しぶりの枇杷でした。もちろん、祝島の枇杷でお腹は壊していません。念のため。

佐呂間に来て果物を味わうのは、「おすそわけ」がほとんどです。青森からの林檎(リンゴジャムにもしました)、愛知からの八朔、九州からのイチゴや柑橘などです。
食すとき強く感じるのは、その土地の景色や空気や水や土を一緒に食べてるんだ、と。
そして、贈る人の気持ちです。こちらに語りかける顔が見えます。
通信販売の産地取り寄せでは味わえない、「ありがたい気持ち」になります。

三年前に、地元学協会事務局長の吉本哲郎さん、その後、民俗研究家の結城登美雄さんに会う機会を得ました。
当時私は、会社経営の傍ら地元の観光協会事務局長を非常勤で引き受けていました。
お二人からそれぞれ得たものは、大きなものでした。
それまでにもまして、自分の地元を強く見るようにもなりました。
また様々な土地にも行きました。大規模な肉牛生産の現場は多少知っていましたが、普段の農業や漁業などの現場を知ることができました。それまでの私の見かたや感じ方が変わったと思います。
その延長で、地元の漁協の組合長を経験することができたと思います。
友人には、わかりづらいと不評でしたが、「海と食卓をつなぐ」を組合長としての抱負としました。任期中に見える形での実現は困難でしたが、きっといつか実現できると信じています。
しかしながら、当時から気になっていたことがあります。当時、農家や漁家の普段の食卓に座る機会が多くありました。ほとんどは「ありがたい気持ち」で箸を置きました。
農村ほどインスタント食品の使用が多い傾向にあると新聞で読んだことがあります。農作業は時間的に不規則であり、主婦の家事労働時間節約のためだと解説してありました。また、農村は、都市部より食生活に関する意識が低いとも書いていた記憶があります。
私は、核家族化がひとつの原因だと思います。例えば漁村の場合、土地が狭いため高層のアパートを自治体が建設し、漁協が窓口となり後継者家族が住むようになります。正月や祭などの「ハレ」の食卓は、受け継がれる場合はありますが、普段の「ケ」の食卓はどうでしょうか。近年の厳しい魚家経営から奥さんたちは、ほとんど街へパートに行っています。
近い将来、「ハレ」の食事も「カネ」で購入することになるかもしれません。

前日も書きましたが、後戻りすることはできません。
市販の冷凍食品をたくさん入れるために買った冷蔵庫に、冷凍食品を入れるな。ということはできません。何を入れるかが重要です。
そして、誰の冷蔵庫かということを、もう一度、食を生産する人が考える時期にあるのではないでしょうか。
生産する者の特権として、旬の野菜や魚を生産者同士が、「おすそわけ」しあう。
少し作りすぎた野菜や獲れすぎた魚を「おすそわけ」しあう。
市場価格維持のため畑に鋤きこまれる野菜たち、豊漁のため市場で投売りされる魚たちを他地域の生産者の食卓に「おすそわけ」しあう仕組みができないでしょうか。
この仕組みを「物々交換ネット」と仮に呼ぶことにします。

私の友人に、趣味で自宅の庭でできたレモンなど柑橘類でピール作りを始めた女性がいます。彼女の実家はイチゴ農家なのですが、彼女は物書きです。
例えば、九州の農家と北海道の漁家が、ミカンとシャケの交換する様子を彼女は見ています。シャケと交換するために両親に頼んでイチゴをださなくても大丈夫です。まずミカン農家に話をします。ミカンを分けてもらいピールを作ります。そのミカンとシャケを交換するのです。
ピールを始めて食べたミカン農家は、これだ。と考えました。ピールは皮を使うので、農薬の使用量が気になり始めました。規格外のミカンの加工が始まりました。彼女に、容器のデザインの相談がありました。彼女は友人のデザイナーを紹介しました。デザイン料は、たくさんのミカンです。彼女は、販売先として「風土倶楽部」を紹介しました。
そして、風土倶楽部からミカン農家への支払いは、・・・・。現金でお願いします。


posted by LJ21 at 13:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
風土倶楽部は、少しずつ素敵な取引先が増えています。コンセプトでつながるモノの流れです。

ピール(peel)はとても有望な商品だと考えています。早く完成をめざしましょ!
Posted by あさだ 風土倶楽部 at 2007年06月03日 15:58
それまで、ピールなんて知らなかったです。説明を受け、ザボン漬かぁと言ってしまいました。
自宅の庭の結果的に無農薬のレモンが材料というのが、第一面白かったです。
ピールを楽しそうに作っている彼女を想像する、「おすそわけ」の「ありがたい」気持ち。贅沢な瞬間です。
Posted by 山親爺 at 2007年06月05日 20:10
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