2007年06月13日

新潟県十日町市松之山 田辺慎一 3日目

今日は生き物のお話です。

松之山は生き物の宝庫だ。
クロサンショウウオ

kurosan2.jpg 

モリアオガエル

kaeru2.jpg

タイコウチ、シナイモツゴ、カジカガエル、トノサマガエルなど、他の地域では希少種や絶滅危惧種に指定されている生き物たちが、ここではごく普通に暮らしている。以前、水生生物の研究者に、モツゴやメダカをキョロロで飼育している生き物のエサにするときもあるといったら、予想通りとても驚かれた。また、反対に、地元の人に、これは絶滅危惧種でとても珍しいんですよ、といったら皆うへぇーという顔をする。
食卓にのぼる山菜の種類もかなり多い。ゼンマイ、コゴミ、ウド、フキノトウ、タラノメ、ワラビ、アサツキ、ナルコユリ、ギボウシ、シオデ、アズキナ、アケビ、コシアブライラクサ、ヨブスマソウなど、まだまだたくさんあるが、ここではとても書ききれない。

北海道出身の私の目から見ると、1つの地域で利用する山菜の種類はべらぼうに多く感じる。面白いことに、同じ豪雪地に位置する近辺の地域に比べて、松之山の山菜はアクが少なくておいしいと評判だ。また、地元のおかぁちゃんたちの山菜料理がとてもおいしい。よくご近所さんからおすそわけをもらうが、火の通し加減といい、味付けといい、むちゃくちゃうまい。自宅横に雑草のごとくミョウガがはえている。お隣さんから、出始めの茎をみじん切りにしてカツオブシかけて食べるとうまいよ、といわれてあつあつご飯の上にのせて食べたら、そのうんまいこと。食べても食べても、さすがに食べきれるものではなく、ぼうぼうとなってきたのでやはり草刈しなければ。
 鳥の種類も豊富だが、松之山と言えばやはりアカショウビンというカワセミの仲間が有名だ。「森の学校」キョロロの名前の由来は、実はこの鳥の鳴き声からきている。毎年この時期になると、鳴き声は聞こえますか、といった問い合わせの電話がかかってくる。旧町時代の鳥になるほど地域でも愛されているが、先日地元の人からある話を聞いた。ちょうど田植えの時期と重なるあの鳴き声を聞くと、大変な田植え作業を思い起こすからあまり好きでねぇとのこと。アカショウビンは、今では数が減ってきて何とか守っていこうといく雰囲気があるが、昔はたくさんいてほとんど関心は払われていなかったようだ。トキやコウノトリは地域によっては昔害鳥だったと聞く。アカショウビンは害鳥ではなかったようだが、これらの話を聞いて腑に落ちることがあった。
 総合的生物多様性管理(IBM)という考え方がある。どんな生き物も絶滅する可能性があり、また害虫や害鳥のように人に害をなす可能性がある。人間の立場からすると、要は、数の問題で、絶滅しないように、害虫にならないように数を管理していくことが重要となってくる。トキやコウノトリも増えすぎたら害鳥。もしスズメが絶滅しそうになるまで数が減ったら保全策を考える。人と自然の共生、という言葉のリアルな一面がここにある。
 キョロロでは、常設で松之山の生き物を生きたまま展示している。来館者の中には、珍しいねぇ、貴重だねぇとおっしゃってくださる人もいる。屁理屈的な話で恐縮だが、キョロロには、実は珍しい生き物はいない。展示している生き物たちは、現在数が減ってしまったが昔はたくさんいたものばかり。率直に書くと、今、その生き物を見にくる人がいることは、ある意味悲しいこと、そう感じる時がある。キョロロを見て、「なんだ、そこらへんにいる生き物ばかりじゃないか」、といわれるようにならなければと思う。


posted by LJ21 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 新潟県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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