2007年06月19日

宮崎県宮崎市 児玉健作 2日目☆

第2回目です。前回、突然の着物熱にかかってしまった貧乏男子大学生が、いかに着物を手に入れるか〜、というところで終了しました。その顛末を述べまして、当世着物事情から話を進めましょう。「スローウェア」とどういう関わりがあるのか、いずれのお楽しみに。

お金の無い学生のこと、帯も着物も履物も、まず持ってはおりません。手に入れたいとは思うものの、呉服店は金額も敷居も高そうだし、浴衣を買うほどの金も無い。
書店にも資料は無し、苦肉の策で当時普及しつつあったインターネットを使い、情報を集めました。ところが、「男の着物を格安で手に入れる方法」はどこにも無かったのです。(もちろん今はこの頃よりも遥かに情報は増えていますが)
やっと見つけた2、3のサイトで調べて発見しましたのが「骨董市」。確かにこれなら古着もあるはず!早速京都は東寺の弘法市へと足を運びました。選び方すらもわからない中、とにかく店のおじさんおばさんに聞きまくって1枚の麻着物を入手したのです。お値段は忘れもしない5,000円ナリ。
帯は実家から祖父のものを送ってもらい、履物は500円くらいの一番安い雪駄を。襦袢は、当時雅楽を習っていた関係で半襦袢がありましたのでこれを流用。こうして何とか一通り揃えて、僕の着物ライフは始まったのでした。

着物を着始めて、何を感じたか。季節の移ろいか、日本の心か、いやいやこれが羞恥心だったのです。やけに通りすがる人々がこちらを見ているような気がしまして、何とも恥ずかしい気持ちがありました。
今にして思えば、これは自意識過剰であったような気もしますが、いっちょう着物を着てみようと決めた男は、結構誰しも通る道なんですよ。それが故に着物に今ひとつ踏み込めないという諸兄の話も聞きます。
さて、その後のことを少し。祇園祭デビューを着物で果たした後、それからは古着を扱っている店が不思議と目に付くようになりまして、リサイクルショップや骨董市、または着物専門の古着屋を回りました。
ちょっとずつちょっとずつアイテムを増やし、それと同時に秋は紅葉・・などと決めて色々な場所を散策しました。それまでも訪れていた古寺や名勝が、まったく異なった光を放つように感じられたのは、意図しなかった喜びでした。

当時手に入れた最も安価な着物は、ウールのアンサンブル。着物は50円で羽織も50円。まったく笑ってしまうくらいの値段です。しかし、需要が無いものは、この値段でも売れはしなかったということなのでしょう。在庫は豊富でした。もっとも、今は同じ店で30倍!のお値段が付いていたりします。それが安いか高いかは、人それぞれでしょう。
そんなこんなで、まったくの呉服屋稼業とは対極に位置して着物に親しむことになった僕ですが、今の呉服業界であるとか着物ファンである方々の動向というものは、大変面白く感じられます。
多くの方が思うような、堅苦しい「日本の伝統と高級感」の世界がジワジワと変化してきているのです。
もちろん、2006年夏にちょっと話題になった、悪質な販売方法をとっていた巨大チェーン店の倒産に象徴されるように、まだまだ高額商品押し込め路線は、残念ながら健在です。もっともそうでないお店が増えたことが、大いに励みになるのですが。

ちょっと脱線してしまいましたが、「着物」の価値観が変わってきていることが言いたかったのです。何かあったときや人生の節目に着るものから、普段に個人の楽しみとして選択できるものへの変化。衣装としての着物が衣服としてのそれとして復活しつつあります。

これを僕は、自然とともに生きるスローな生き方と切り離して考えることが出来ません。着物を着ると、自然歩く時間が増えます。自家用車に乗って走る時速4、50kmの視点から時速4、5kmの視点へと変わっていく。
そこには、きらめく様な世界が広がっていました。季節を感じ、大切に培われてきた伝統、知恵を自らのものに成していく。
まったく素敵な生き方があったもので、そこをもって「スローウェア」と呼ぶには十分すぎるような気がします。
こんな現代の着物暮らしを通したスローライフ、これを明日のテーマにしたいと思います。

蓮屋 hasunoya http://hasunoya.atukan.com
はすのやにっき http://ameblo.jp/hasunoya/


posted by LJ21 at 20:48| Comment(3) | TrackBack(0) | 宮崎県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鹿児島県霧島市の千葉といいます。

おもしろい日記、楽しく拝見しました。
着物は大好きです。いま、ちょっと遠ざかってしまいましたが。

ところで、高知の友人の影響で昨年から、蚕を飼っています。

黄色い繭が出来ていますよ。HPにのせていますので、よかったらみてください。

Posted by shinobu at 2007年06月20日 09:31
はじめまして!
HP拝見しましたよ。
丁寧に成長過程がアップされていて
とても良かったです。

そしてラスト。

う〜ん、ここまでやれば完璧ですね。
僕も一度いただいてみたいです。
Posted by 児玉健作 at 2007年06月21日 18:01
>僕も一度いただいてみたいです

でしょ!

ところで、私たちは、今年も11月18日(日)第4回「霧島・食の文化祭」を開催するのですが、その中で繭の糸つむぎの体験もする予定です。

おもしろいですよ。宮崎との県境ですので、近いです。是非遊びにいらして下さいねーー。
Posted by shinobu at 2007年06月23日 22:17
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