2007年06月25日

宮崎県宮崎市 児玉健作 7日目☆☆

あっという間に最終日です。

おおよそ着物屋らしからぬ話をしていたような気がします(笑)

まだまだ書いてなかったことを思い出したりもしますが、これからも何らかの手段で発信していきたいと思っています。

さて、楽しいお知らせを。

今年で4回目になりますが、

『ニッポン全国きもの日和』

という催しが、11月3日に開催されます。
全国各地の着物ファンが、思い思いのイベントを同じ日にそれぞれの地域で開催するものです。既にご自分の地域で報道されご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

これは、名目上「着物のファン」が主体となって毎年11月3日に開催される、という決まりだけが存在します。
日本中で同じ日に色々な所、この空の下に、着物を着る人がいたら面白いんじゃない?ということで始まりました。
ですから開催されない地域もありますし、たった1人でも2人でも「今日はきもの日和だぜっ」と着物をまとえば、それはきもの日和のイベントなんです。とても簡単、気楽でしょう?

宮崎にも実行委員会があるんですよ♪
昨年は古き町並みを残した港町「美々津」で。
今年は近代宮崎の山林王、後藤家を中心に賑わった町「高城」にて。

地域の伝統や、和文化の良いところを見つけ出し、小さい子どもからお年寄りまで誰もが楽しい!と言える町おこしに。
そう思って宮崎では、やっています。

皆さん、今の内から11月3日に目標をつくって、着物を着てみませんか?



「今週の僕」の思っていること。〆
さて、最後に書いておきたいことがあります。着物に関する、考えて欲しいこと、です。

「着る」という、衣服としての最も重要な根幹がありながら、この世に生まれ1度も誰にも袖を通されなくて、消えていく。

そんな運命を辿った着物たちは、数知れません。
今、日本の各家庭に眠る着物の総額は4兆円分ともいわれています。
ちなみに宮崎県の抱える負債は1兆円弱です・・・。
古本屋でコミックを売ったことのある方はご存知でしょうが、古着屋さんに売っても信じられないほど安く買い叩かれます。
価値を認めない人からは、荷物が減って部屋スッキリ。1,000円にもなれば御の字だ!と思われるかもしれませんが・・・。


私も、私の両親も、店でこう言います。

「着物を着ませんか?」

着物に興味をもたれた方には

「まずはタンスの中を見てみてください。お母様やおばあ様、
お父様やおじい様の着物が眠っているかもしれませんよ。」

と。

確かに、新しい消費を得られなければ、今の生産者の生き残りには益になりません。一般的に厳しいとされる今の呉服業界、消えゆく技術がどれほどたくさんあるでしょう。

しかし、思いを込めて作られたであろう数々の着物たちの行く末を思うと、そう言わずにはいられないのです。

呉服屋の決めゼリフに「置物は(笑)お着物は何代にも渡って着られますから、お得ですよ」などという言葉があります。
僕は、そんなのは商品に付加価値を付けてより高額で売るための、セールストークだと思っていました。
今も、そう思っていないわけではありません。
深く考えず、イメージだけでそう言う呉服業界人が存在するからです。

しかし、1枚の布として完成するまでに幾多の工程を経る着物、裁断され縫製され丁寧に仕上げられたそれが手元に届く、着て、解いて、縫い直されて、或いは染め替えられて、いつしか着用に耐えられなくなった頃、布としてまた何かに活用されついには消滅していく。

そんな使われ方をされていたという事実が、あるんです。

捨てられるために、パッチワークに売買されるために、洋服にされるためにこの世に生まれたわけじゃない。

着物には、一つのものを使い捨てではなく、ずっと使い込み大切にしするというある種の「モノ」の理想が、この国の知恵が、様々な思いや想い出と共につまっています。

呉服屋さんにセールストークを仕掛けられた時、その店員さんが洋服だったら是非聞いてみてください。
「なぜ、あなたは着物を着ていないのですか?」と。

もしあなたが着物を着ていて、それに後ろ指を差す洋服の方がいたら、尋ねてみてください。
「なぜ、あなたは着物を着ていないのですか?」と。

もちろん伝統衣装などという一方的なレッテルを貼られた「凍ったもの」ではなく「血の通った衣服」である限り、着ていようがいまいが個人の自由です。でも今の着物のあり方はとても不自由です。

営々と築かれてきた知恵の積み重ねと、家庭ごとの地域ごとの伝統なくして、ただただ洋服と比べるのはあまりにも、分が悪い。
悲しいかな、憂うべきかな。


7日間にわたって僕がここで書いたことを、少しでもあなたが覚えていて
いつか凛とした、あるいはとてもリラックスした、キモノの面白さを知っていただけることがあれば、何よりも幸せです。

また、どこかでお会いしましょう。

2007年6月24日 宮崎市 染織こだま店員 児玉健作

蓮屋 hasunoya http://hasunoya.atukan.com
はすのやにっき http://ameblo.jp/hasunoya/


メッセージ、コメントお待ちしています。


ご紹介いただいて日向時間テツロー様、朝田様、読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。また明日も頑張れます。


posted by LJ21 at 00:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 宮崎県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
成人式のときに着た着物がとにかく窮屈で胸が苦しかったという不幸な出会いをして以来、着物はめんどうなもの、着心地の悪いものと敬遠してきました。でも、実はリラックスできるものでもあるんですね。そうでなければ、こんなに長い間、私たちのご先祖さまたちは着続けてこなかったでしょうから。
モンスーンアジアは、布を身にまとうことが一番風土に合っているというのが今井俊博先生の持論です。
着物にトライしてみますね!
Posted by あさだ at 2007年06月25日 11:20
この記事を投稿して、早1週間が過ぎました。

あさださん、変わらずお元気ですか?
夏の着物暮らしはなかなか大変なこともあるので、浴衣で涼を楽しんで
それから秋の着物シーズンにチャレンジしてみるのもいいかも知れません。

楽な着こなしのためには、やはり自分で着られるようになるのが最高の
対処ですので、えいやっと着てみてください。

よく耳にする「苦しかった」は、ほぼ着せ方がまずかったことが原因であ
ると思われます。
その辺り、また書いてみたい気もします。

勤め先(実家)のURLを残しておきますので、何かの時には覗いてみて
下さい。
http://www.someorikodama.com
http://kodaken.hp.infoseek.co.jp/
Posted by 児玉健作 at 2007年07月02日 17:32
児玉さんはじめまして!児玉さんの着物を愛しんでおられる文章に引き込まれました。最近になって私も着物への関心が高まって夏の紗を先日新調したり、アンティークやリサイクルの着物をあつかうお店でも素敵な一枚に出会い!これから機会を見つけて多くのシーンで着られたら幸せだなーと思います。11月3日も是非何か計画します!宮崎のイベントにも行きたいです。楽しそうですね!
Posted by ゆー姉 at 2007年07月06日 23:57
>ゆー姉さん
はじめまして!
「着たいときが着る機会」とは、うちの実家で掲げている言葉です。

よく「着る機会が無くて」なんてよく言われるのですが、さにあらず。

着物を着るということ、別に制限されていたり誰に断ってするもの
でもありません。
是非様々なシーンで着てみてください。
今週の私でも書いていますが、新しい発見に感激することでしょう。

宮崎、いつでもおいで下さい。着物の似合う町並みもありますよ。
11月3日の「ニッポン全国きもの日和」は、
昨年700名弱のお客様がいらっしゃいました。
お客様・・というより着物好きな仲間!という感じでとても楽しいです。

きもの日和in宮崎
http://miyazakimono.zashiki.com
Posted by 児玉健作 at 2007年07月09日 14:25
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。