2007年07月04日

島根県飯南町 有田昭一郎3日目

今年から、私の職場で「自給・循環圏の構築」という新しい調査研究が始まりました。客観的にみても2020年頃までに食糧・エネルギー事情が大分悪くなるという前提の下、実際、自前の生産資源でどのくらい食糧・エネルギーは賄いうるのか、放置している農地の復元にはどのくらいマンパワー・コストがかかるかを測定し、具体的な自給圏像と推進手法(必ずしも生産・流通・購入のプロセスを前提としない)等を検討します。多分5年前なら、「こんなこと調査研究の対象にならない」と一蹴されていたでしょうが、こわい時代になりました。

いま改修している家は五右衛門風呂なのですが、暖房も薪ストーブを使うことを考えています。これだけ灯油の値段が高騰してくると、周りに雑木林が沢山ある中山間地域では、コスト的にも薪を燃料に使うのは魅力的です。もちろん、樹は自分で伐出しなくちゃならないし、薪割りもしなくちゃいけないので、人件費を考えると割高になるかもしれませんが、家の周りの林も手が入っていい塩梅になるし、運動だけすることができないズボラな私には調度いいやと思ってます。
 上の「自給・循環圏の構築」研究では、例えば、身近な樹を伐り・薪で暖房することが、一般的な都市的生活と比較して、コスト、物質循環、エネルギー効率、持続性等の点からどうか検証することになると思います。ただ、薪一つとっても、樹種・乾燥度合いで温度も火持ちも全く違うし、燃焼装置も性能がピンキリだから色んな前提が必要になるとおもいますが・・・

なぜ日本にオンドルがないのか
そういえば、知人達と薪を使った暖房について話していて、「なぜ日本には大陸のようなオンドルがないんだろう」という話になりました。オンドルはご存知の通り、床下に煙の通るトンネルをつくり煙の持つ熱で床を暖める仕組みになっています。煙のもつ熱を使い尽くす暖房は他の国にもあります。去年、事務局をしている野外体験産業研究会(また紹介します)のメンバーと北欧に研修旅行にいったのですが、その際、アパートに据えつけの薪をつかった暖房システムをみました。それは極太の土管が縦になっているような形で、下で火を焚くと、煙が土管のなかのパイプをぐるぐる回る仕組みです。少しでも煙の熱を利用しようとする意図がわかります。それに比べると日本の囲炉裏は熱効率はあまりよくなさそうです。私が知らないだけで日本にも煙の熱を暖房に使う技術があるかもしれませんが(教えてください)。

オンドル結論(仮説)
その話の中では次のように結論(仮説)となりました。
@大陸は日本ほど樹がふんだんになく貴重な資源である。よって限られた燃料で最大限熱を利用する技術が発達した(但しこれだと北欧の事例があてはまらない、気候が日本より寒く燃料が多量に必要であったため等は考えられるが)
A双方の国とも日本よりかなり寒い。だから少しでも熱を上手に使う技術が発達した
根拠不十分の推論なので、正解かどうか全く自信はありません。

アフリカに普及する日本のクド
ただ、生きる環境と熱を利用する技術の発達には少なくとも相関がありそうです。前に、新聞(どの新聞かすぐでてきませんが)に、いまアフリカのどこかの国で少しずつ日本のクド(石と土で組んだ料理用の炉)が普及してきているという記事が載っていました。遠方への薪とりがかなりの重労働らしいのですが、たき火と比べるとずっと熱効率が高く身近な素材でつくれるクドが導入され、必要な薪量を随分減らすことができ、労働負荷軽減にかなり貢献しているということです。アフリカの人口爆発は植民地時代以降のことで、もともと低い人口密度が低かった(1人当たりの資源量が多かった)アフリカ当該地では、たき火で十分で、日本のクドのような技術が生まれる必要がなかったのかもしれません。大陸や北欧と比較すると煙熱の利用が未発達な日本も、植民地時代前のアフリカと比較すると、燃料を効率的に利用する必要性があったとも考えられます。

以上、かなりあやふやな仮説が多いですが、これから本格的に情報を集めてみようと思っています。北欧のストーブの発達史は面白いですよ。囲炉裏→暖炉→ストーブ→キッチンストーブと進化していきます。また機会があれば書きます。
夏なのに暖房の話になり失礼しました。ではまた明日。


posted by LJ21 at 23:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨日まで岡山県真庭市におり、木質バイオマスエネルギーの最先端を見てきました。外材が入らなくなるときを見越して、着々と国産材を余す所なく活用するゼロエミッションが進められています。
自給・循環圏の構築に向けて、あちこちで動き始めているのですね。人類の叡智と愚かさのこの闘い、叡智に勝利を!
Posted by あさだ at 2007年07月05日 16:39
当方も最近、島根をかすめつつ、岡山県新庄村、そして鳥取県日南町と行って参りました。
毎日とても興味深い内容で、日記を楽しませていただいています。囲炉裏→暖炉→ストーブ→キッチンストーブ
おもしろそうですね。私も最近台所の100年史(日本の)を買ったところでした。今年は島根にもぜひうかがいたいと思っています。環境に負荷をかけないエネルギーを用いてつくる加工品プロジェクトをやりたいと思っています。
Posted by もりち at 2007年07月05日 22:22
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