平成18年10月18日
山を整備し、豊かな森林を育むためには間伐作業は欠かせません。間伐を行うことによって膨大な量の枝や木が切り出されます。しかし残念ながら、この【間伐材】はお金になるわけでもなく、これといった使い道がありません。持て余してしまうのが現状です。
そこで、間伐材を再利用できないものかと日々模索していました。(現在も模索中)
幸い周囲の経験豊かな人たち(主に地元のじいさん)に協力を仰ぎ、様々な道具、知恵を借り、なんとか間伐材を森の中で有効に活用できないか試みてます。
其の一 チッパーシュレッダー
枝葉や細い木の幹を適当な長さにカットし、機械の中に入れるだけです。この機械の中では‘歯’が高速で回転し、枝や木を粉砕します。一瞬にして枝などを粉砕する‘感触’は、なぜかスカッとした気分にさせてくれます。タイヤがついているので森の中へ入っていけます。粉砕されたものはウッドチップとして生まれ変わります。庭や荒れた土地に撒くことで景観をがらりと変えることができる、地面をいためない、水はけがよくなるなどのいいことづくめです。
フォレストアドベンチャー・フジでは、遊歩道や駐車場撒いています。
しかしこのチッパーシュレッダー、少々の難点があります。それは‘音’です。エンジン音がまずうるさい。さらに枝や木を入れると、それらを粉砕している爆音がとどろきます。長時間作業すると、耳がおかしくなります。写真のようなヘッドフォンが必需品です。この作業にはブラックミュージックがあうと思います。

其の二 製材用ガイド
チェーンソーに製材用のガイドを取り付けます。切り倒した木の繊維に沿ってチェーンをスライドさせます。木を縦に切ることはなかなか困難な作業です。おそらくチェーンソーは木を切り倒すことを主として開発された道具であるためだと思います。(><)。
なぜかウチにはコレがあるので、やらずにはいられない!というわけで。
根気と体力を駆使して切り進めていくと…………….

交代!

さらに切り進めると……….. 立派な一枚板が完成。

こうしてできた板は、テーブルにするもよし、ベンチにするもよしと、さまざまな用途があり夢が広がります。この板で何を作るかは今後のお楽しみです。気になる方はぜひフォレストアドベンチャーに遊びに来てください。
其の三 間伐材のフェンス
等間隔に杭(もちろん間伐材!)を2列に打ち込みます。幅は約30cm。その隙間に枝を詰め込みます。長さをそろえてナタで細かい枝を落として…….この作業をひたすら繰り返します。地味な作業ですが、次第にフェンスが高くなっていく様子に喜びをおぼえるようになります。
見られたくないもの(ないとは思いますが)を隠すためにやってみたら、結構いい雰囲気です。なによりもそこにあるイラナイモノを使ってアタラシイモノを作るという自己満足が得られます。ツタなどを絡めればさらに味が出るのではないでしょうか。

チェーンソーの技術、それのみが必要です。フランス人のスタッフに教えてもらいました。実用性は抜群。燃え始めの煙は虫除けに(蚊取りではないですね)、火力が増してきたら簡易コンロにと利用できます。作り方は秘密です。フォレストアドベンチャーに遊びに来られた方には今年度中は無料で差し上げます。


こうして倒した木は、太い部分は製材したり、土留めとして使用し、細い幹や枝はフェンス。そして枝葉はチップに。結構いけます。問題は根っこです。コレばかりはちょっとやっかいです。ほっとくしかないでしょう・・・
間伐材を放置しておくのはもったいない、何かに利用できないものか。こうしたことがきっかけで始まったわれわれのプロジェクト。まだまだその無限の可能性を追求していきたいと思います。