生け花の先生方主催による今日の「ニッポンノケシキ in なにわ」のシンポジウムは大阪城の傍らの会館が会場。朝10時の開会時1200人入る会場は満員となりました。折しも大阪城内の梅園は六分咲き程度でしたが見事な色あいでした。

華道の中で、特に日本の自然の趣を深山、野辺、沼沢など7つの型と、嵯峨野の3つの景色に代表させる「景色いけ」という手法があります。
シンポジウムの意図するところは、この手法を応用して、日本中の景色の美を華道家の目でとらえ直し、後世に伝え守るべき風景を生け花で表現しようというところにあります。
この取組みに共感するのですが、その伏線は、京都嵯峨の大覚寺大沢池(右写真)の
環境再生計画事業にありました。(と、本日基調講演をされた京都嵯峨芸術大学真板教授からご紹介がありました。)

大沢池再生事業は2001年夏から始まったといい、一週間前の土日が今年の最初の活動でした。
大覚寺大沢池は日本でも最古の溜池であり庭園として知られていますが、湖面に映る月の影の趣の維持などのため、千年以上蓮除去などが手作業で行われていました。
ある年、蓮の生長を抑えるためとしてソウギョ1000尾が放流されました。そうしたところソウギョの糞などで池の環境はかえって悪化したとのこと。そこで大覚寺や研究者が協力して池の環境改善と1200年前の風景の再生に取り組むことになり、そのプランニングにあたっての設計指針となったのが、大覚寺に深い縁のある「景色いけ」の思想だったとのことです。
写真は先週実施された活動の一つ、園路と周辺の苔地などの境界をとるための瓦を使った道普請です。

作業の後、大覚寺内では、生け花の先生の指導のもと「景色いけ」の実地演習もありました。
私もチャンレンジしましたが冷や汗がでました。日頃から風景を大切にする職業についていると標榜しながら、では、その大切にしたい風景を自ら表現しようとすれば、なす術もありません。菖蒲の仲間の長身の葉一つを水盤に刺すだけで精一杯でした。
生け花に関わられる方の風景を愛でる心と風景を表現する芸の技に、改めて敬意を表するしだいであります。(写真中の人物は当方ではございません)
皆様、今週一週間おつきあいいただきありがとうございました。
散漫な文章になり、読みにくい点が多々あるかと思います。あわせてお詫びいたします。