2007年01月26日

鳥取市 西尾 彰仁 2日目

今回は、生命の源「水」そして川の恵みについてお話したいと思います。

 清澄な水は、人類のみならず、地球上の動植物にとって欠かせない恵みの一つと感じております。しかし地球上では、水不足が多く生じており、現在でも35億人の方への水が不足していると聞いております。幸いにも我が日本は、水に恵まれており、水道の蛇口から直接飲める水が供給されております(今までは?)。世界広しといえ水道の水が直接飲める国は、そう多くはありませんね!自然の恵みに感謝 感謝そして守りましょう、身近な自然!

ここまで大きな視野でのお話をしましたが、これからは、私のみじかな川のお話をしたいと思います。私が子ども(小学生)くらいから川は、身近な遊び場でした。

鳥取市東部を流れる一級河川千代川その支流佐治川が川遊びの場所でした。この川は、標高1,000mから150m位までを約30Kmで流れる急峻な川で過去にかなり暴れて災害を引き起こした川ですが、日本三大名石「佐治川石」の産地でもあります。

 川には、上流から岩魚、ヤマメ、鮎、うぐい、もつ、はや、川マス、鰻、どっかー、鮎かけ、ドジョウ、めだか、等等沢山の種類の魚とかじか、モリアオガエル、アマガエル、どんびきガエル、いもり、タニシ、ニラ貝、しじみなどと、水生昆虫の宝庫です。

春2月〜岩魚、ヤマメ取り
4月下旬から5月上旬にかけてタチうぐい(産卵期で魚体に赤い線が入っている。)取り、
6月下旬から8月下旬までは鮎、川マス、うなぎ取り、
秋はもつ釣り、そしてタニシ取り、
冬にはまた、うぐい取りとまあ年間を通じて魚などを収穫しています。

その捕獲方法も、ヤマメ、岩魚は釣り、若しくはヤスで突くまた、うぐいは、引っ掛け釣り、餌つり、ヤスで突く、なぐり漁、投網漁(特にたちうぐいの時期はたちばという人工的な産卵場を人力で作りメスのうぐいに鼻環をつけて沢山のオスのうぐいを呼び寄せ、投網でとります。・・・今は禁猟)鮎は毛ばり釣り、友釣り、ヤス漁、投網漁(特に夜する場合はみどりと呼ばれました)

私はうぐいを一度の500匹位何度が捕獲して学校の給食センターの協力を得て大型のオープンで焼き山椒を入れたダシ醤油で煮込んで食べたものです。冬取るうぐいは、投網でとって、味噌、ねぎ、豆腐と一緒に寸胴切りを入れて、ジャブと言う料理で食べますが、私は、ちょっと小骨があり、苦手ですね。鮎は塩焼きの外、寸胴切(ただ生のままを切ったもの)をわさび醤油で食べたり、鮎のはらわたを塩と混ぜて保存食「うるか」として食進め、または、酒の肴として食べました。ヤマメ(当地では、たんぽりと呼ばれてます)、岩魚は、刺身、塩焼きが一番のようです。

一時期この様な魚等が減少しましたがこの5〜6年前からまた増えてきたようです(環境に配慮した農薬等の使用に切り替わった)鮎は1日に最高300匹位を捕獲したこともあり、また川マスを1日に3本取ったりしており、近所、親戚に配ってなんか自慢していました。それと岩魚は水が無くてもうなぎの様に体をくねらせて動きます。これは、なんとも面白い!岩魚はもしかして両生類?なんて思ったりしました。でも岩魚、ヤマメはとても獰猛で蛙は基よりマムシ、なども食べてしまうんですよ?・・・何はともあれもう一度青春?こういう事を行なえる時間を持ちたいものです。

昨年の夏高校生の息子とその友達を連れて川へ鮎取りにいきましたが、どうも、鮎を突き、捕獲するのは私ばかりで、彼らは水中眼鏡で川の中を観察、ヤスは、杖代わりの様です。どうもそういう事を教える上級生、先輩がいない様で私が手ほどきしましたが、ハヤをやっと一匹づつ突いた位でした。山と川と共に生きているという実感は、中山間地域に居住して初めて解るものだな、と感じました。都市部にいてもなかなか、実感できないですね?

皆さん日本の中山間地域が、都市の人々の生活を支えているんですヨ。さあ、出かけてください。宝の山:日本の中山間地域へ
ラベル:鳥取市 川の恵み
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2007年01月22日

鳥取市佐治町在住 西尾 彰仁  =今日の私=

鳥取市は、平成16年11月1日に現在の旧鳥取市とその周辺の旧福部村、旧国府町、旧河原町、旧用瀬町、旧佐治村、旧鹿野町、旧気高町、旧青谷町の9市町村が広域合併しました。

人口では、約20万人の特例市になりました。(鳥取県の人口が約60万人なのでその1/3)また広域な山林と農地が増えました、この合併地域は、そのほとんどが中山間地域に位置し、人口は約5万人です。また、全市の経営耕地面積の59.2%、総農家数の60.1%、総土地面積の73.3%、全市林野面積の83.3%、総林家戸数の69.6%などが、中山間地域にあり、当市にとって食の提供の場であるとともに、鳥取市民(特に市街地住民)の命の源となっております。

大きな合併であった為、行政事務の調整に大変難航しましたが、様々な地域の職員が智恵を出し合ってこの鳥取市の発展に努めております。ここまでかなり硬いお話となりましたが次からは、少し視点を変えた(外れた?)お話をシリーズでお送りします。

 これは、合併して同じ市の職員となった訳ですが、私が日常的に当たり前と感じている事が実は市街地住民また、中山間地域に居住している方からみてもかなりカルチャーショックなり物事の考え方、しいては、あなたは、人間なの?なんて感じで捉えられる事が多くあります。是をシリーズでおおくりしたいと思います。
まず、第一に食は山、川の恵みにあり!!! お話します。

《山の恵み・・・はちの編》

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2006年02月20日

鳥取県鳥取市 家中茂 6日目

BTH2329508_0B.jpg19日は那覇で、全国竹富島文化協会の「星砂の島」文化講演会が開催されました。
全国竹富島文化協会は10年前に結成され、竹富島の島民、出身者(郷友会)、これまで調査等で来島した方々などが幅広く参加しています。
年に1回、那覇と竹富島で講演会やシンポジウムを開催し、島の歴史や文化を学ぶとともに、これからの島のあり方について考える場となっています。また、機関誌『星砂の島』を発行し、重要無形民俗文化財の種子取祭で演じられる芸能の台本も編集、出版しています。

この数年は、テーマとして「衣」「食」「住」を順に取りあげ、昨年は「うつぐみと町並み」というテーマで、私も講演することになりました。「うつぐみ」というのは竹富でよくつかわれる言葉で、一致協力するという意味で、「結い」などと近いですが、島独特の意味合いもあるようです。何ごとにつけても「うつぐみの心で」といわれます。

BTH2329508_1B.jpg今年のテーマは「伝統文化と経済」。よく、文化と経済は別物として、ときに対立するものとして語られる場合が多いですが、しかし、文化こそが経済を創り出すのであるし、また、経済を抜きにして、とくに民衆芸能や文化は成り立たないということを考えようという話題設定です。


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ラベル:沖縄県 竹富島
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2006年02月19日

鳥取県鳥取市 家中茂 5日目

BTH2329226_0B.jpg渡嘉敷島からです。
今日2月18日は、渡嘉敷、座間味、阿嘉・慶留間の3つのダイビング協会が一堂に会し、「慶良間海域保全連合会」設立へむけて準備会を立ち上げた歴史的な日となりました。これから3月のうちに、座間味島、阿嘉島と会合を重ねていきます。

慶良間の海は、前にもお話しましたように、沖縄島周辺のサンゴ礁が再生するには不可欠なところです。慶良間のサンゴが産卵し、それが潮に運ばれ、沖縄島周辺へとたどりつきます。

とくに座間味のダイビング業者の活動が注目されるのは、漁協と協力し、自主的にルールを定めて、サンゴ礁のオーバーユースを回避しようとしてきたことです。最重要ポイントを定めて、サンゴを食べるオニヒトデ駆除にも取り組んできました。ラムサール条約登録も、このような活動が評価されてのことだといえます。

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2006年02月17日

鳥取県鳥取市 家中 茂 4日目

閑話休題

鳥取には、いままで見慣れなかった魚など市場に並んでます(もちろん、鳥取の方には見慣れた魚ですよね)。
昨日の地産地消の勢いでちょっとご紹介。


賀露という港に、‘かろいち’というマーケットができています。そこで見かけた、山陰ならではの海の幸の紹介。
‘ばば’とは‘どぎ’とか、耳慣れぬ見慣れぬ魚が並びます。有明海も特有の魚がいますよね、‘わらすぼ’とか。もちろん、‘あげまき’‘うみたけ’そし‘むつごろう’。‘えつ’なんていうのも、なかなか粋な食べ方をするものです。関西では、瀬戸内海の魚が来るものだから、色彩豊かな‘ベラ’の仲間が三宮あたりの店には並んでいます。‘はも’なんて食すのは京都ぐらいでしょう。あれを料理に仕立てるのも文化かかな。



というわけで、鳥取に来て初めて見るものも多いし、これまで滅多にみないものが市場に並んでいます。春には‘貽貝(いがい)’、これの小さいのは吸い物の出汁として絶品ですが、大きいものは、蒸してムシャムシャ食べると最高。ムール貝です。

夏には、岩牡蠣。いまでは夏に出回る牡蠣として、鮨屋などで馴染みになっているかもしれません。この夏、この海のミルクというのをたくさんいただきました。ワカメなども、みなさん海辺によって自分で拾って来るみたいです。水雲も(‘もずく’と読みます)天然物が好まれています(ちなみに、いま日本中に出回っているもずくの9割以上が沖縄の養殖だそうで、みなさん、沖縄の海人を支えるためによろしくお願いしますね)。

鰈(かれい)も季節によって違うものがでてきますし、つくづくと海のなかにも四季があるのだと実感いたします。‘はたはた’や‘ばい貝’も落としてはならぬものですね。



今日は午後から雪になりました。数日前、ご紹介した湖山池には青い空が拡がっていたのですが、今日は雪。どんよりと曇った空も、墨絵ふうで趣があります。‘白兎海岸’をご紹介します。そう、あの‘因幡の白ウサギ’の白兎です。




松葉ガニやモサ海老(この‘モサ海老’というのも、こちらに来て初めて食しますが、甘海老よりもずっと美味です。見た目はその名の通り‘猛者’なのですが)などを底引きで捕ります。この底引きの海域が、島根県で話題になった‘竹島’周辺の水深300mあたりのところのようです(賀露の‘カニッコ館’の資料にはそう示してありました)。

松葉ガニの雌は、シーズンに100円〜300円で出ています。とても美味しいのですが、その時期に、同じカニの雄の松葉ガニは、1万数千円〜2万円。それから、松葉ガニが脱皮したばかりだという若松葉は、1千数百円の値段で動いています。この辺の資源管理や市場の値段設定はどういうバランスになっているのでしょう。結構うまくいってるのかな。美味しいモサ海老がみんな子持ち(緑の卵を抱えている)なのも気にしつつ、刺身でも焼いても吸い物でも美味しい海老です。

というわけで、今日は閑話休題。明日の夜は、渡嘉敷島で、ダイビング協議会の人たちと‘合宿’です。


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鳥取県鳥取市 家中茂 4日目

閑話休題

BTH2321659_0B.jpg鳥取には、いままで見慣れなかった魚など市場に並んでます(もちろん、鳥取の方には見慣れた魚ですよね)。
昨日の地産地消の勢いでちょっとご紹介。

BTH2321659_1B.jpg賀露という港に、‘かろいち’というマーケットができています。そこで見かけた、山陰ならではの海の幸の紹介。
‘ばば’とは‘どぎ’とか、耳慣れぬ見慣れぬ魚が並びます。有明海も特有の魚がいますよね、‘わらすぼ’とか。もちろん、‘あげまき’‘うみたけ’そし‘むつごろう’。‘えつ’なんていうのも、なかなか粋な食べ方をするものです。関西では、瀬戸内海の魚が来るものだから、色彩豊かな‘ベラ’の仲間が三宮あたりの店には並んでいます。‘はも’なんて食すのは京都ぐらいでしょう。あれを料理に仕立てるのも文化かかな。

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鳥取県鳥取市 家中 茂 3日目

今日は午後から、鳥取県主催で「地産地消フォーラム−これからの直売所に何が求められるか」がありました。岡山県美星町の「星の郷青空市」の張谷和弘さんが基調講演をされ、そのあと、「鹿野おもしろ市場」の原田伸幸さんらによるパネルディスカッションがもたれました。会場にはJA関連の直売所にかかわる女性たちの姿も多くみられました。

鹿野のおもしろ市は平成元年の設立で、すでに17年が経ち、当時働き盛りの人たちも高齢化している。この人たちの智恵や経験をいかすような取り組みができないだろうか、という問題提起がなされていました。平成なんてつい最近に入ったとばかり思っているうちにもう17年も経っているのですよね。20年振りだねと、このところよく人に会うようにもなりました。

有機農産物流通や産直運動、直売ふれあい市など、大きな社会変化のなかでどのような位置づけの変化が起きているのでしょう。張谷さんも、19年間やってきて、年間40万人の人が訪れるようになったが、近年は売上が横ばいで、青空市の登録料や手数料の見直しなど、大きな転換点を迎えていると話されていました。



来週の木曜日は、ローカルジャンクション21の朝田くに子さんを鳥取にお招きします。トットリ・アフトビア協会主催の食育フォーラムで「風土とFOODが出会うとき−食がつなげる人と地域」というお話をしていただきます。鳥取市の農業振興課からグリーンツーリズムの取り組みの相談があったのがきっかけでした。グリーンツーリズムというのもよくわからない言葉ですが、農村らしいライフスタイルを創り出すこと、たんに食料生産の場所として農村を位置づけるのではなくて、人々の暮らす場所としてとらえたときに見えてくることなどを大切にして、ゆっくり考えていけばよいのではないかと思います。

そこで、朝田さんに来ていただいて、食からつながる人々の輪というようなテーマのお話をしていただこうを思いました。どうしても経済のことがあるから、次のこと次のことを考えなくてはいけないのですが、それでも、いまの時がいまであることをもっと大切にすること、このときを十全に楽しむことによって世界が拡がるというような時の流れを知っていること、そういうことがこれからもっと大切になってくるのでしょう。物を知らない者の発想かもしれませんが、命につながること、食につながることはきっとそういう側面を抜きには語れぬところがあるのでしょう。

話は飛びますが、鳥取は民芸の町でもあります。鳥取駅から歩いてすぐのところに、吉田章也の始めた鳥取民芸美術館があり、その横に、たくみ民芸店、たくみ割烹と軒を並べています。


ウィンドウの左にあるのは、青谷の山根窯の焼き物、右の方が沖縄の読谷のやちむんです。沖縄にいるときには日常の食器はずいぶん、やちむんで揃えましたが、こちらに来てからは、この山根窯にひかれて、工房にもお訪ねしたりします。朝田さんも今度ご案内いたしましょう。生活の質を楽しむ、大切にする暮らしの伝統というものが、この山陰の地にはあるように思えます。


ところで、大学はそろそろ卒業シーズン。昨日は、地域学部の前身の教育地域科学部政策課程の卒論発表会がありました。中心市街地活性化、景観保全、観光まちづくりなどに関するテーマも多く、学生たちが熱心に報告していました。春にはフレッシュな門出です。声援をおくりましょう。


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2006年02月16日

鳥取県鳥取市 家中茂 3日目

BTH2319399_0B.jpg今日は午後から、鳥取県主催で「地産地消フォーラム−これからの直売所に何が求められるか」がありました。岡山県美星町の「星の郷青空市」の張谷和弘さんが基調講演をされ、そのあと、「鹿野おもしろ市場」の原田伸幸さんらによるパネルディスカッションがもたれました。会場にはJA関連の直売所にかかわる女性たちの姿も多くみられました。

鹿野のおもしろ市は平成元年の設立で、すでに17年が経ち、当時働き盛りの人たちも高齢化している。この人たちの智恵や経験をいかすような取り組みができないだろうか、という問題提起がなされていました。平成なんてつい最近に入ったとばかり思っているうちにもう17年も経っているのですよね。20年振りだねと、このところよく人に会うようにもなりました。

有機農産物流通や産直運動、直売ふれあい市など、大きな社会変化のなかでどのような位置づけの変化が起きているのでしょう。張谷さんも、19年間やってきて、年間40万人の人が訪れるようになったが、近年は売上が横ばいで、青空市の登録料や手数料の見直しなど、大きな転換点を迎えていると話されていました。


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2006年02月15日

鳥取県鳥取市 家中茂 2日目

BTH2316038_0B.jpg鳥取へ来る前、沖縄では、島々の自然と人の暮らしのありようをテーマに訪ね歩いていました。4年間、那覇にいたあいだに通ったのは主に竹富島です。赤瓦の屋根と白砂の道で知られ、年間30万人が観光に訪れる島ですが、その町並みの美しさは、祭祀を維持するために島に住み続けようしてきた人々の日常の暮らしが(つまりは願いが)集積して形をなしたものであることを知りました。それから、ダイビングで有名な座間味(慶良間)にも。先々週の1月30日は旧暦の正月で、この座間味を訪ねていました。


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ラベル:座間味 沖縄県
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鳥取県鳥取市 家中 茂 2日目

鳥取へ来る前、沖縄では、島々の自然と人の暮らしのありようをテーマに訪ね歩いていました。4年間、那覇にいたあいだに通ったのは主に竹富島です。赤瓦の屋根と白砂の道で知られ、年間30万人が観光に訪れる島ですが、その町並みの美しさは、祭祀を維持するために島に住み続けようしてきた人々の日常の暮らしが(つまりは願いが)集積して形をなしたものであることを知りました。それから、ダイビングで有名な座間味(慶良間)にも。先々週の1月30日は旧暦の正月で、この座間味を訪ねていました。




旧暦正月2日には、漁民が「初おこし(ハチオコシ)」の祝いをします。1年の航海の安全と豊漁を祈願してのことでしょう。昼過ぎに漁協組合の人々が集まって、新年の挨拶をし、やがて漁船のうえでも祈願をしたり、漁民の家々を訪ねまわります。といっても、現在、漁業を専らにしているのは、この座間味のなかでも阿嘉島に2名ほどしかいません。いまサンゴ礁の海に多く出ているのは、ダイビングショップを営んでいる人たちです。


この座間味で、人々とサンゴ礁の海とのかかわりは、時代に応じて変遷してきました。琉球王国時代は、中国との貿易の進貢船の船頭として活躍しました。その傍らに私貿易もしたのでしょう、財を築きあげた面影は、慶留間島の高良家住宅にみることができます。ただし、多くの家屋は沖縄戦のなかで灰燼に帰し、また、本土復帰後の生活の変化のなかで、台風に強いコンクリート家屋とブロック塀に変わりました。


明治に入ってからは、慶良間節の名で知られる、カツオ漁と鰹節産業の地として栄えました。座間味は沖縄の鰹節の発祥の地でもあるのです。しかしまた、戦後の社会変化のなかで鰹節産業が衰え、いよいよ島に何の仕事もなくなったときに、1980年代からダイビングという新たな産業がやってきたのです。

こうして、島を取り巻く社会条件の変化のなかで、同じサンゴ礁でありながら、その資源としての意味あいが変わってきます。かつては、カツオ漁につかう生き餌の小魚たちの棲息場所が、いまはダイビングスポットとして案内されることになります。

沖縄の漁民(海人ウミンチュ)の追い込み漁業(潜水漁業)を支えた身体技術が、ダイビングインストラクターの才能として開花したのです。このように時代に応じて位置づけが変わるサンゴ礁資源ですが、一方、その海に対する感謝の念や海に生きる民としての誇りは現代においても再確認され、生き続けているということができます。


昨年末ラムサール条約に登録された、この座間味(渡嘉敷とあわせて慶良間海域)のサンゴ礁には特別な意味があります。1972年の「本土復帰」以降、開発が進展するなかで、埋立や護岸工事、赤土流出、オニヒトデ大発生、海水温暖化による白化現象などによって、沖縄のサンゴ礁は瀕死の状態に陥っています。そのような沖縄沿岸のサンゴ礁が再生するには、健全な海域のサンゴが産卵し、それが潮にのって寄り来たって着床し、芽生え育たなければなりません。このサンゴの卵の供給ができる唯一残されたサンゴ礁こそ、慶良間海域のサンゴ礁なのです。

ところが、ここも慢性化したオニヒトデの大発生によっていつ全滅してもおかしくない状態です。ここが全滅したら、あとは八重山など他のサンゴ礁域からもってくる他はありません。このような状況のなか、座間味のダイビング業者の人たちは、オニヒトデ駆除の活動を毎日のようにおこなっています。

自然を守るということは同時に自分たちの生活を守るということでもあって、そこには建前と本音の使い分けはありません。サンゴ礁の海を持続的に利用するために、海を閉じたり(保護区の設定)、アンカーを投げずにブイに係留したり、潜ったりなど、自主的にルールをつくって自らに規制を課しています。そのことが、いまのこの島の人々の海への感謝と自らの誇りの姿なのです。サンゴに生かされ、サンゴを生かす、未来を展望する生き方の源基があるように思われます。



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2006年02月14日

鳥取県鳥取市 家中 茂 1日目

はじめまして、家中と申します。去年の4月から鳥取に来ています。昨年度、鳥取大 学にあらたに地域学部が創設され、そこで住民組織やNPOについて担当することになりました。学部創設2年目からの赴任です。

去年の3月までは、沖縄にいました。那覇にある沖縄大学の地域研究所というところです。専攻は、村落社会学、環境社会学で、政策を考えるう えで、生活の立場から住民の創意工夫に着目する、ということをしています。生まれは東京 です。

私のいま住んでいるのは、鳥取大学から徒歩でも15分ほどの教員宿舎ですが、そこから、湖山池という湖が見えます。池という名前のついた湖としては日本でいちばん大きいと か。池と湖の違いはないそうで、もし仮に、琵琶湖が琵琶池という名であれば、それがいち ばん大きな池ということになります。



元々はこのあたりいったい砂丘地帯で、かつては「嫁殺し」といわれるほど水を畑に運ぶのに苦労をしたそうです。現在ではすっかり耕地化され て、その面影はないようにみえますが、しかし、自給用の野菜をこしらえていても、その周 囲に麦を植え、風除け、砂除けとしているのに気づきます。麦の穂を刈った後にも、茎を野菜の周囲に残してあったりします。

水の面を眺めているのはなんとも心和むものです。四季の移ろいがよくわかります。 この湖山池はなかなか風情があると思って見ています。朝、よく舟が出ています。どうみてもレジャー用の舟ではないようで、きっと湖の魚か海老を捕っているのでしょう。

鳥取の飲 み屋さんに行くと「湖山海老」というのがでてきます。かき揚げふうにしてとても美味し い。手長海老もいるそうです。湖の南側には吉岡温泉があり、そこで冬の間だけ鯰料理が食べ られるそうです。3年ほど前、琵琶湖の菅浦で鯰料理をいただきました。刺身、蒲焼き、鍋 等々。

目の前のこの湖から捕れた鯰の味をみるのを楽しみにしています。他にも、いまでは あまり市場には出回らないらしい、シラウオやシジミも捕れるそうです。今日は満月かな。 月影が輝く湖も素敵です。夏には、午前中、大学生の操るヨットが湖面に拡がっている時もあります。



そうそう、冬のいちばん寒い、大寒の日の前後に、鮒を捕ります。「いしがま 漁」といって、この湖にしかない珍しい漁で、3メートルほどの水深のところに湖底から石を 積み、寒いときにその石積みのなかの穴に鮒が集まる習性を利用した漁です。

今年は、1月21日。ちょうど車で湖岸を回り、三津という集落のところに来たところ、舟から鮒を揚げる人たちに出会いました。これが、「いしがま漁」だ!と思いました。

先週の土曜日に、鳥取市の委託研究の発表会があり、そのなかで、小学生たちが「いしがま漁」体験を発表してくれました。その舟の手配を手伝うなど、地域学部の霜田稔さんの研究室では、学生や地域の人たちが出入りして、この湖山池の自然再生に取り組んでいます。



今日は、午後から大学で、鳥取県庁の企画部と地域学部教員との意見交換会がありま した。10いくつかの政策課題をとりあげて、互いに議論を出し合あうというものです。

鳥取県は、片山県知事という改革派の知事がいて、いろいろと活発に活動しています。昨年も、 文化経済学会、鳥取自立塾、自治体学会、地域学会、学びぴあ、など、いろいろな企画がありました。そこで、片山知事の話を聞く機会が何度もあったのですが、なかなか明瞭な論理立てで、地方分権、地方自治を語っており、ずいぶん感心しました。

鳥取県全体で60万人。 鳥取市は合併して20万人。人口は少ないですが、それだけに、いくつか動きがあるとそれが連鎖していく可能性があるかもしれません。こういう地方行政上の改革が一方にあって、鳥取大学も、教育学部をすっかりと改組転換して、地域学部を創ったといえます。地域政策学科、地域教育学科、地域文化学科、地域環境学科で構成されています。高い建物がなく、落 ち着いたキャンパスです。キャンパスのなかに前方後円墳があるなんていうのもおつなもの ですね
季節がよいときは、学生が毎晩、芝生でバーベキューなどしています。


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2006年02月13日

鳥取県鳥取市 家中茂 1日目

はじめまして、家中と申します。去年の4月から鳥取に来ています。昨年度、鳥取大学にあらたに地域学部が創設され、そこで住民組織やNPOについて担当することになりました。学部創設2年目からの赴任です。

去年の3月までは、沖縄にいました。那覇にある沖縄大学の地域研究所というところです。専攻は、村落社会学、環境社会学で、政策を考えるう えで、生活の立場から住民の創意工夫に着目する、ということをしています。生まれは東京です。

BTH2312717_0B.jpg私のいま住んでいるのは、鳥取大学から徒歩でも15分ほどの教員宿舎ですが、そこから、湖山池という湖が見えます。池という名前のついた湖としては日本でいちばん大きいと か。池と湖の違いはないそうで、もし仮に、琵琶湖が琵琶池という名であれば、それがいち ばん大きな池ということになります。

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ラベル:鳥取市 鳥取県
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