2006年01月14日

食育フェア初日(会場内外で食べまくり) 野崎賢也

大人の食育ワークショップでハチミツ・テイスティング
 食育フェア初日、あいにくの雨でしたが、そのわりには人出が多かったように思います。「大人の食育ワークショップ」は、LJ21のスペシャリテ、「はちみつ」からスタートしました。
 朝田さんの司会で、藤原養蜂場の藤原誠太さん(東京農業大学客員教授・日本在来種みつばちの会会長)による、ミツバチと蜂蜜についてのレクチャーがありました。



そのあとはお待ちかね、はちみつテイスティングです。日本各地の6種類のハチミツが、色と味の薄いものから濃いものへ順に並べられたお皿はとてもきれいで絵になります。はちみつの味わいの違いに、参加者のみなさんも納得の様子でした。

 次のワークショップは、石川県珠洲のみなさんによる「あご(トビウオ)の焼干し」、「いしる(魚醤)」、「揚げ浜塩」の紹介と試食です。

 「あご」は、炭火で焼いてから干すということで、この味は初体験です。あごダシのにゅうめんをいただきましたが、とても味わいのあるツユでした。

 珠洲の魚醤は、イカやイワシなどを使うようですが、日本各地に魚醤の文化があり、使う魚も違います。この「いしる」も初体験の味でした。うーむ、さすが日本海側です。南方系太平洋沿岸育ちのわたしの未体験文化ゾーンの奥深さを実感させてもらいました。これは必ず実地検証しなければならない課題です。



ビオ・ワインの飲めるレストランでランチ
 お昼時になり、ワークショップの試食が前菜効果として、すっかり胃袋が刺激されたので、友人と一緒に会場を出て、すぐ近くのレストランにランチに出かけました。

 Oザミという老舗のフレンチで、小さな店ですが気取らずに美味しく飲み食いできる貴重な空間です。ここのワインは、ビオ(有機)系が揃っていることでも知られていて、今回も昼間っからワイン1本(+グラス)空けました・・・

 前菜はカニのソーセージにピーナッツオイル。ビーツのスープは、写真のように鮮やかなピンク色で美しかったです。メインは、鴨の骨付きロースト。ビオの白ワインをグラスで1杯、そのあとビオの赤を二人で1本。雨の日のランチにしては、楽しく元気に食べてしまいました。




LJ21のにぎやかな懇親会
 フェア初日が無事に終了し、LJ21事務局やお手伝いの人、それから出品している各地の方々などが集まって、近くの中華料理店の個室での懇親会に参加させてもらいました。

 いままで名前だけお見かけしていた方々に会えて楽しく話して過ごすことができました。そのなかでも、「さわのはな」のお酒をいただいてから10年目にして初めてその米をつくった本人、山形県長井市の遠藤さんと対面できたので感慨もひとしお。お酒の名前と同じ「影法師」というグループ名で音楽活動をやってらっしゃいます。その他、日本各地からの総勢40名ほどで、最後に記念撮影。

 そうそう、宴会中に、宮崎県日之影町の姫泉酒造の「一睡の夢」というレア芋焼酎がまわってきたのでもちろん試飲。宮崎の焼酎について卒論を書いて地元にUターンした卒業生に、うまい焼酎飲んだぜ自慢メールを送信しておきました(口惜しがっていたことは言うまでもありません)。




荻窪の宴会に1人で遠征

さて、懇親会が9時半に終わった後は、次の宴会に移動しました。料理のとても上手な某通信社の記者さんのお宅のパーティです。食育フェアで翌日の表彰式にでるために来られた北海道の管理栄養士さんやスローフードからみの方その他、初めてお会いするみなさん農と食に関連する仕事をしている人たちでした。

 ここでまた美味しいものを堪能。あるじの手料理は、北海道の自然のなかで生まれ育ち、仕事で各地のうまいものを食べた、その来歴が物語る、とても良い素材をきちんと生かした、シンプルでも深い味わいのものばかりでした。ここで料理を何種類食べたか、深夜2時まで飲み食い続け。

 今夜の料理のなかでも究極は、北海道釧路の「飯寿司(いずし)」。米と野菜と鮭などを漬け物状に1ヶ月から2ヶ月ほど置いて発酵させた料理です。これも南方育ちにとっては全くの初体験。北方の食文化の静かに経過する時間の旨味はただ噛みしめるだけ。素晴らしかった・・・。




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食育フェア初日(会場内外で食べまくり) 野崎賢也

大人の食育ワークショップでハチミツ・テイスティング

BTH2229288_0B.jpg 食育フェア初日、あいにくの雨でしたが、そのわりには人出が多かったように思います。「大人の食育ワークショップ」は、LJ21のスペシャリテ、「はちみつ」からスタートしました。
 朝田さんの司会で、藤原養蜂場の藤原誠太さん(東京農業大学客員教授・日本在来種みつばちの会会長)による、ミツバチと蜂蜜についてのレクチャーがありました。

BTH2229288_1B.jpgそのあとはお待ちかね、はちみつテイスティングです。日本各地の6種類のハチミツが、色と味の薄いものから濃いものへ順に並べられたお皿はとてもきれいで絵になります。はちみつの味わいの違いに、参加者のみなさんも納得の様子でした。

 次のワークショップは、石川県珠洲のみなさんによる「あご(トビウオ)の焼干し」、「いしる(魚醤)」、「揚げ浜塩」の紹介と試食です。

 「あご」は、炭火で焼いてから干すということで、この味は初体験です。あごダシのにゅうめんをいただきましたが、とても味わいのあるツユでした。

 珠洲の魚醤は、イカやイワシなどを使うようですが、日本各地に魚醤の文化があり、使う魚も違います。この「いしる」も初体験の味でした。うーむ、さすが日本海側です。南方系太平洋沿岸育ちのわたしの未体験文化ゾーンの奥深さを実感させてもらいました。これは必ず実地検証しなければならない課題です。

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2006年01月13日

愛媛の誇る雑魚食文化「じゃこ天」 野崎賢也

小魚のすり身を使う料理は日本各地にありますが、愛媛が誇る「じゃこ天」もその一つです。「じゃこ」というのは、広い意味では「雑魚(ざこ)」のことですね。愛媛のじゃこ天の原材料として良く知られているのは、「ハランボ(ホタルジャコ)」という小魚ですが、それ以外の「雑魚」も使われます。

 瀬戸内海の西南端、太平洋と接する宇和海の幸が水揚げされる市場から、遠くに運ぶだけの金銭的価値のない「雑魚」が、地域の加工業者さんに引き取られ、地元で消費される真性ローカルな食べ物になります。逆にいうと、おいしい「小魚」は、アシも早いし(鮮度が落ちやすい)、基本的にはその土地でしか味わえない、ローカルな食の象徴なのです。

 そうした小さな雑魚を、シンプルな工程で加工し、価値のあるものにする(あくまで地元向けの価値です)、家族経営の水産加工業者が地域にたくさんあり、地元の人たちの日常のなかに根付いている。この「じゃこ天」は、愛媛県南部(南予地方)の確固とした食文化だといえるでしょう。
 翌日の東京出張の手みやげに、松山市内の店舗(南予の業者の支店)2軒で買い求め、自分でも味見してみました。



食感こそがじゃこ天の生命

じゃこ天は、ハランボなど小魚の頭を落としハラワタを取り除き(女性たちの熟練の手技が支える)、塩や調味料を加えたすり身を成型して揚げるだけです。油で加熱調理する「天ぷら」であっても、それは鮮度が最重要な「生もの」だと認識しなければなりません。じゃこ天の生命線となっている「ぶりんぶりん」の食感は同時に、それが「生もの」であることの証明だといえます。
 いま一般的には、魚の練り物は保存料や着色料などの添加物がたくさん入っており、「生もの」からどんどん遠ざかっていますが、地元の普通のじゃこ天には添加物はごく限られたものだけしか使われていません。

 店頭で揚げたてのアツアツのじゃこ天は、そのまま食べますが、食べるまでに時間がかかる場合やお土産用としては、揚げた後に冷まして冷蔵状態にしたものがあります。食べる際に、さっと炙るだけで、ぶりんぶりんの食感が蘇ります。今回の味見はこの5種です。

 炙ったものの断面を見ると、それぞれ微妙に違うことが分かります。この気泡の違いが食感の違いに結びついているのだろうか。こうやってこじつけでもよいので、自分の頭で考えて仮説をたててみる、そしてその仮説を実地検証する(最高においしいものが作られるその場で食べる)、これはまさに学問の王道であります。




「すり身」も売られています

 揚げればじゃこ天になる「すり身」も、商品として売られています。これは日持ちしませんし、ほんとの地元家庭消費のための食品です。「すり身」は、鍋や汁物にいれてもおいしいし、揚げ立てを食べるともちろんおいしい。翌日の東京にはこの「すり身」も手土産にしました。
 先月の話ですが、この「すり身」のなかでもとてもレアで貴重な(と地元以外の私は思います)「ハリメのすり身」をいただきました。ハリメというのは、イシモチの一種の小魚です。愛媛県最南端の愛南町出身のわが研究室の学生のご両親からいただきました。こんな出会い(人と食)があると、大学教員をやっていてよかったなあ、とつくづく思います。
 今年度、その愛南町で、魚の食育プログラム開発と、地域の食の現状の調査を実施しています。その調査で漁業の町を訪れるたびに思いますが、日本の地域の食文化はほんとうに奥深いですし、それを維持し続ける人たちと地域社会がなければ存続しないものです。



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愛媛の誇る雑魚食文化「じゃこ天」 野崎賢也

BTH2226541_0B.jpg小魚のすり身を使う料理は日本各地にありますが、愛媛が誇る「じゃこ天」もその一つです。「じゃこ」というのは、広い意味では「雑魚(ざこ)」のことですね。愛媛のじゃこ天の原材料として良く知られているのは、「ハランボ(ホタルジャコ)」という小魚ですが、それ以外の「雑魚」も使われます。

 瀬戸内海の西南端、太平洋と接する宇和海の幸が水揚げされる市場から、遠くに運ぶだけの金銭的価値のない「雑魚」が、地域の加工業者さんに引き取られ、地元で消費される真性ローカルな食べ物になります。逆にいうと、おいしい「小魚」は、アシも早いし(鮮度が落ちやすい)、基本的にはその土地でしか味わえない、ローカルな食の象徴なのです。

 そうした小さな雑魚を、シンプルな工程で加工し、価値のあるものにする(あくまで地元向けの価値です)、家族経営の水産加工業者が地域にたくさんあり、地元の人たちの日常のなかに根付いている。この「じゃこ天」は、愛媛県南部(南予地方)の確固とした食文化だといえるでしょう。
 翌日の東京出張の手みやげに、松山市内の店舗(南予の業者の支店)2軒で買い求め、自分でも味見してみました。



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2006年01月11日

長崎の卒業生実家育成ジャガイモでチーズ会 野崎賢也

長崎の卒業生の実家が育成したアーダップル(大地のりんご=ジャガイモ)

大学教員をやっていてよかったと実感するのは、各地の卒業生から送られてくる地元のうまいモノを受け取る時です。今回は、長崎雲仙の卒業生の実家の農場から、親父さんが育成したオリジナルのジャガイモ品種が3種類送られてきた。それぞれ農場の名前を冠して、「タワラルパン」「タワラヨーデル」「タワラワイス」という。そう、俵さんちの農場なのです。

BTH2217287_0B.jpg このジャガイモの外観は、ご覧のとおり、ジャガイモといっても2種類は紫色をしています。同封のパンフレットによると、ジャガイモは(原産地はアンデス)本来こういう色つきで、それゆえオランダ語では「アーダップル(大地のりんご)」と呼ばれていること、この農場では土壌消毒のために使われる臭化メチルを使わないですむような、病害に強い(野生に近い)品種育成をすすめてきたことなどが分かります。臭化メチルはこれまでジャガイモやショウガ栽培の土壌消毒にごく普通に使われてきましたが、強烈な温暖化効果を持つガスであることから、使用禁止が決定されています(が、実際にはいろいろと噂が聞こえてきます・・・)。

蒸しジャガイモ&アピオス

BTH2217287_1B.jpg さて、今晩はこのジャガイモでチーズを食べる企画でした。学生たちと一緒に、まずは野菜のスープを作ったり、生ハム類をカットしたりして準備します。うちの研究室では、学生と一緒に料理をして宴会していますが、シンプルな野菜のスープはほとんど毎回作らせるので、今期の学生たちもすっかり身につけて、手際よく準備できるようになりました。(大鍋で野菜スープを作っておくと、その残りは翌日に、パンやおにぎり持参の学生たちが片づけます)

 蒸し上がったジャガイモ。ジャガイモは茹でたり焼いたりもおいしいですが、手間がかからずおいしさが逃げないという点で、蒸す方式がわが研究室の定番になっています。2種類の赤いタワラジャガイモに、小さな粒は、アピオスというマメ科ですがイモのような食感、四万十川流域の窪川町の道の駅で仕入れてきたものです。


ジャガイモでモンドール

 このホクホクのジャガイモを、モンドールというトロトロのチーズにつっこんですくって付けて食べるのが最高なのです。そのままでチーズ・フォンデュ状態のトロトロで食べられます。このモンドールというフランスの山間部のチーズは、カマンベールよりも二回りぐらい大きい円形で、冬の季節だけ作られ(食べられ)ます。貴重で価値の高いチーズだけあって、お値段もかなりのものです(その強烈な匂いもかなりのものですが)。若手教員の懐にはつらいですが、まあこれも、学生たちにホンモノを知ってもらうための教育の一環です。

 さて、安ワインで乾杯!
BTH2217287_2B.jpg (ビオ=オーガニック・ワインの飲みかけボトルなど提供しました)
 ホンモノの味を勉強しつつあるうちの学生たちは、とても食欲旺盛で、食べたことないものによろこんでチャレンジします。いまの大学生全般を見ていると、ほんとに食欲がないなあ・・・と思うことが多いですが、おいしいものをみんなで楽しく食べた経験が少ないというのも原因の1つでしょう。おいしいものを食べるだけではなく、それを楽しく食べる場をつくることがいかに大切か、うちの学生たちの食欲を見るたびに痛感します。

 こうして身銭をきった教育が、いずれは各地のおいしいものとなって返って来る・・・いえいえ、彼らが各地で地域のホンモノの良き理解者や支持者、あるいは生産者になって地域に貢献してくれると思えば、一級品の食材代や酒代など安いものですし、なにより教員冥利につきるというものです。


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長崎の卒業生実家育成ジャガイモでチーズ会 野崎賢也

長崎の卒業生の実家が育成したアーダップル(大地のりんご=ジャガイモ)

大学教員をやっていてよかったと実感するのは、各地の卒業生から送られてくる地元のうまいモノを受け取る時です。今回は、長崎雲仙の卒業生の実家の農場から、親父さんが育成したオリジナルのジャガイモ品種が3種類送られてきた。それぞれ農場の名前を冠して、「タワラルパン」「タワラヨーデル」「タワラワイス」という。そう、俵さんちの農場なのです。

 このジャガイモの外観は、ご覧のとおり、ジャガイモといっても2種類は紫色をしています。同封のパンフレットによると、ジャガイモは(原産地はアンデス)本来こういう色つきで、それゆえオランダ語では「アーダップル(大地のりんご)」と呼ばれていること、この農場では土壌消毒のために使われる臭化メチルを使わないですむような、病害に強い(野生に近い)品種育成をすすめてきたことなどが分かります。臭化メチルはこれまでジャガイモやショウガ栽培の土壌消毒にごく普通に使われてきましたが、強烈な温暖化効果を持つガスであることから、使用禁止が決定されています(が、実際にはいろいろと噂が聞こえてきます・・・)。




蒸しジャガイモ&アピオス

 さて、今晩はこのジャガイモでチーズを食べる企画でした。学生たちと一緒に、まずは野菜のスープを作ったり、生ハム類をカットしたりして準備します。うちの研究室では、学生と一緒に料理をして宴会していますが、シンプルな野菜のスープはほとんど毎回作らせるので、今期の学生たちもすっかり身につけて、手際よく準備できるようになりました。(大鍋で野菜スープを作っておくと、その残りは翌日に、パンやおにぎり持参の学生たちが片づけます)

 蒸し上がったジャガイモ。ジャガイモは茹でたり焼いたりもおいしいですが、手間がかからずおいしさが逃げないという点で、蒸す方式がわが研究室の定番になっています。2種類の赤いタワラジャガイモに、小さな粒は、アピオスというマメ科ですがイモのような食感、四万十川流域の窪川町の道の駅で仕入れてきたものです。




ジャガイモでモンドール

 このホクホクのジャガイモを、モンドールというトロトロのチーズにつっこんですくって付けて食べるのが最高なのです。そのままでチーズ・フォンデュ状態のトロトロで食べられます。このモンドールというフランスの山間部のチーズは、カマンベールよりも二回りぐらい大きい円形で、冬の季節だけ作られ(食べられ)ます。貴重で価値の高いチーズだけあって、お値段もかなりのものです(その強烈な匂いもかなりのものですが)。若手教員の懐にはつらいですが、まあこれも、学生たちにホンモノを知ってもらうための教育の一環です。

 さて、安ワインで乾杯!
 (ビオ=オーガニック・ワインの飲みかけボトルなど提供しました)
 ホンモノの味を勉強しつつあるうちの学生たちは、とても食欲旺盛で、食べたことないものによろこんでチャレンジします。いまの大学生全般を見ていると、ほんとに食欲がないなあ・・・と思うことが多いですが、おいしいものをみんなで楽しく食べた経験が少ないというのも原因の1つでしょう。おいしいものを食べるだけではなく、それを楽しく食べる場をつくることがいかに大切か、うちの学生たちの食欲を見るたびに痛感します。

 こうして身銭をきった教育が、いずれは各地のおいしいものとなって返って来る・・・いえいえ、彼らが各地で地域のホンモノの良き理解者や支持者、あるいは生産者になって地域に貢献してくれると思えば、一級品の食材代や酒代など安いものですし、なにより教員冥利につきるというものです。



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2006年01月10日

高知県四万十川 野崎賢也 絶妙プリンと鰻のタタキ

絶妙のプリン(三原村産)

 つい最近合併で名前の変わった旧中村市=四万十市のSニーマート裏手にある直売所チェックに入る。四万十川の定番土産物(いわゆる観光用)の棚の隅に、あまり目立たず置いてある小さな素朴なカップのプリンになんとなく心惹かれました。

 初めて見かける名前で、高知県三原村の「百姓工房 みゆ」製。このプリンの原材料表示は「低温殺菌牛乳・有精卵・砂糖」のみです。

 今の大手食品メーカーのプリンは、注意してみてみると、そのサイズはどんどん巨大化し、パッケージにはいつも「○○%増量」という文字が躍っていたりしますが、同時に食品添加物もたくさん入っています。みなさんも、スーパーの安売りプリンの原材料名、ぜひご覧ください。「牛乳プリン」と書いていても「牛乳」が使われてなかったりします。あるいは、コンビニでプレミア価格で売られる「こだわり」プリンも、原材料表示を見てみると、添加物がたくさん入っていたりします。そんなエセ「こだわり」プリンでも、原材料も味も気にしないで、見かけや広告だけで買ってしまう人が多いんでしょうね。

 プリンは牛乳と卵と砂糖だけでできます。いまスーパーやコンビニでは、このシンプルな原材料のプリンはなかなか見つかりません。しかし幸いなことに、四国のいくつかのスーパーチェーンでは、手頃な価格で淡路島の三原郡酪農協同組合のシンプルなプリンを買うことができます。手作りの直売品ではなく、ホールセールで広域に流通するものとしては、とても貴重な存在の淡路のプリンですが、四国の消費者がちゃんと評価して買っているかどうかは分かりません。でもまあ、店舗での取り扱いが続いているということは、それなりに支持されているはずだと考えることにしています。

 で、この「百姓工房 みゆ」製のプリン。表層はうっすらと白く、たべてみると、とてもクリーミーで滑らかな食感、そして上品な甘み。牛乳のおいしさが感じられます。この完成度はただものではない、と思いました。高知県の南西部には、傾斜地の牧草地で放牧主体で乳牛を飼う、山地酪農の牧場が何軒かありますが、そこの牛乳の低温殺菌を使っているのかもしれないな、と推測しています。牛乳の低温殺菌は、近年だいぶ市民権を得てきましたが、まだまだその良さは一般に理解されていません。が、こうやって加工食品の原料として使うことで、その風味の良さが生きるケースも多いです。ちなみに、このプリンのクリーミーさは、牛乳がノンホモだからかもしれません。ノン・ホモジナイズの略で、牛乳に圧力をかけること(ホモジナイズ)をしないと、自然に生クリーム分が凝固分離するのが、ノンホモ牛乳の特徴です。この分離した脂肪分が、本来「生クリーム」と呼ばれます。




窪川町の鰻料理「うな吉」のウナギのタタキと蒲焼き

 さて、この日の昼食は、四万十川中流の窪川町、鰻料理「うな吉」に入りました。座敷・椅子あわせて30席ほどの小さな食堂か居酒屋のような雰囲気の店です。とても高知らしい、落ち着いて余裕にあふれた女性が仕切っています。(高知の男は、趣味に走って稼ぎが少ないので、女性がしっかり仕事をして強いです、一般的に)

 ここの名物は、ウナギのタタキです。5mm以下に薄くスライスされたウナギに、土佐流のカツオのタタキのように、たっぷりのタマネギとネギとニンニクがのせられ、ポン酢がかけられています。食べてみると、とてもあっさり、でも鰻の旨味がしっかりある。絶妙なバランスでした。タレのポン酢は、たぶんユズではない柑橘(高知ではこの手の酢ミカンを何種類か使います)が入っていて、後味のキレがすっきりしています。さらさらと何皿でも食べられそうな気がする(実際食べられますが)、とても気持ちのよい鰻料理でした。鰻の蒲焼きも、さすがにうまかったです。味醂の甘さか、とてもしっかり甘いのに、この後味もさらっとしてしつこくない、味わいがあるけれどもあっさりした風味の蒲焼きでした。

 この「うな吉」は、通販もやってます。通販用の真空パックの商品には、保存料など添加物も加えられていたのを見ましたが、最低限の範囲だと思います。
四万十うなぎ株式会社 http://www.shimanto-unagi.com/



「たけざき」の卵焼き

 近所を通る時には必ず食べたくなる、小さな食品店の魅惑の卵焼き。この日のおやつは、高知県須崎市の「たけざき」の卵焼きです。

 高知県西部へ向かう幹線道路沿いにある小さな店のぶ厚い卵焼きとおにぎりは、高知のトラックドライバーや釣り人に熱く支持されてきました。釣り狂いの高知の男たちは、深夜早朝に家を発ち、大物一発のロマンを抱き、Go West!! ひたすら西の磯を目指します。そんな男たちに、高知の女性は決してお弁当など持たせたりしませんが、おふくろの味はなくとも、たけざきの卵焼きがあります。あつあつを深夜の車中で、冷えてもおいしい卵焼きを夜明けの磯や船上で合戦前にかき込むのです。

 たけざきの卵焼きは、調味料こそ使われているものの、それに頼らない、絶妙なバランスのおいしさが特徴です。塩分もしっかりはいっていますが、しょっぱいワケではなく、醤油と味醂と酒がタマゴのやさしい甘みを引き立てています。
 そしてなんといっても、このどっしりとしたボリューム感。ぶ厚く固体化された卵は、動物性タンパク質の立派なメインのおかずです。オムレツでは感じることのできないこの満足感に、日本人としてのアイデンティティーを再確認する、というのは言い過ぎでしょうか。




この小さな食品店のすぐ隣の敷地には、某地元食品会社が建設した最新鋭のカマボコ工場があり、鮮やかな対比が見られる一画になっています。


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2006年01月09日

四国(愛媛県) 野崎賢也 内子町からりの生ハム

愛媛県内子町・農産物直売所「からり」

 今週の担当、野崎です。ここに登場するのは2回目。前回は2004年10月でした。
 2006年1月9日月曜は、愛媛県松山市の自宅を出て、内子町経由で高知県の四万十川方面に行きました。

 内子町といえば(その歴史的街並みよりも)直売所「からり」というぐらい有名です。この「からり」が、いま普及しているPOSレジと生産者を直結した農産物直売所の仕組みの元祖といってもいいと思います。
 
BTH2212375_0B.jpg 業界での知名度は抜群ですが、「からり」のすごさは、この直売所だけではありません。レストランや加工所などとの連携、それらを含めた全体が高いレベルにあり、一定の成功をおさめたいまでも常に進化し続けている、その着実で前向きな姿勢にあると感じています。そこに行く度に、なにか新しい試みがなされていて、いつもチャレンジしていることが分かる。その姿勢は訪れる人にもきちんと伝わってきます。今回も、いくつか発見がありました。

内子産豚の生ハム

 まずはレストランでの昼食。内子産豚の生ハムのメニューが登場していたので、もちろん味見。この「からり」のレストランは、道の駅併設としてはとても上質で、きちんとデザインされています。料理も、農村のレストランとして幅広い客層に向けられてはいますが決して易きに流れず、普及価格帯ですがその値段以上の価値がある、地元産食材をいかしたものです。

BTH2212375_1B.jpg 今回のメイン「からり」加工所製の豚の生ハム。香りがよく、余分な香辛料も使わず、塩分の効いたナマ肉のおいしさがよく分かる、ちゃんとした冷燻です。冷燻というのは、生ハムやスモークサーモンなど低温で燻製にするやり方。わたしは趣味で燻製をやりますが、冷燻はちょっと大がかりになるので、普段はなかなかできません。この生ハム、こころもち水分が多くしっとりしていたのは、熟成期間がそれほど長くないのでしょう。もうすこしじっくり長期間熟成すれば、さらに素晴らしい旨味が出てくると思います。また、スライスが少々厚めだったので、水分の多さとも相まって食感がすこし重くて強くなっていました。もうちょっとだけ薄いスライスがいいなと個人的には思います。

 直売所でも豚の加工肉製品を売っていますが、発色剤や保存料が使われています。対象とするマーケット(消費者)を考慮すると、こういった添加物の使用はやむを得ないという判断も分かりますが、からりが生ハム作りに乗り出したことで(手間も時間もかかり単価も高くなる)、新たなマーケットの開拓を目指していると好意的に解釈したいと思います。作り手のレベルアップと同時に、レベルの高い消費者を「育てる」ことは、これからの地場食品に必要なことでしょう。

 レストランではサラダバーもやっていました。いまではサラダバーというとファミリーレストランでもどこでも見かけるものになっていますが、単にカット野菜を単品で並べるだけだったり、マヨネーズ多用の単調な味付けのものだったりすることも多いです。

 「からり」のサラダバーでは、きれいにカットされた野菜が、風味や彩りなど、ちゃんと考えられた組み合わせ(アレンジ)で盛られていました。そして、ドレッシング3種類も、からり製のものです。これでドレッシングが気に入ったら、帰りに買って帰ってもらえるという意味でも、しっかり計算されています。

はったい粉と柿のアイス

BTH2212375_2B.jpg もう一つだけ今回の発見を。「からり」は、地場の果物や野菜を使ったアイスクリームやシャーベットもおいしいです。今回は、「柿」と「はったい粉」のアイス。

 「はったい粉」は、大麦を炒って粉にしたもので、四国の地場アイス業界ではすっかりメジャーな定番商品になって、あちこちで食べられます。独特の香ばしさに素朴な甘みがあります。

 で、今回初めて食べた「柿」アイス。柿のつぶが入っていて、その甘みはとてもいい感じなのですが、周囲のアイスがちょっと濃くて、せっかくの柿の味が負けている感じでした。ベースのアイス部のクリーム分を減らすとか、柿をペースト状にでもしてベースのアイスに入れるなどの工夫の余地があるなと思いました。


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四国(愛媛県) 野崎賢也 内子町「からり」の生ハム

愛媛県内子町・農産物直売所「からり」

 今週の担当、野崎です。ここに登場するのは2回目。前回は2004年10月でした。
 2006年1月9日月曜は、愛媛県松山市の自宅を出て、内子町経由で高知県の四万十川方面に行きました。

 内子町といえば(その歴史的街並みよりも)直売所「からり」というぐらい有名です。この「からり」が、いま普及しているPOSレジと生産者を直結した農産物直売所の仕組みの元祖といってもいいと思います。
 
 業界での知名度は抜群ですが、「からり」のすごさは、この直売所だけではありません。レストランや加工所などとの連携、それらを含めた全体が高いレベルにあり、一定の成功をおさめたいまでも常に進化し続けている、その着実で前向きな姿勢にあると感じています。そこに行く度に、なにか新しい試みがなされていて、いつもチャレンジしていることが分かる。その姿勢は訪れる人にもきちんと伝わってきます。今回も、いくつか発見がありました。



内子産豚の生ハム

 まずはレストランでの昼食。内子産豚の生ハムのメニューが登場していたので、もちろん味見。この「からり」のレストランは、道の駅併設としてはとても上質で、きちんとデザインされています。料理も、農村のレストランとして幅広い客層に向けられてはいますが決して易きに流れず、普及価格帯ですがその値段以上の価値がある、地元産食材をいかしたものです。

 今回のメイン「からり」加工所製の豚の生ハム。香りがよく、余分な香辛料も使わず、塩分の効いたナマ肉のおいしさがよく分かる、ちゃんとした冷燻です。冷燻というのは、生ハムやスモークサーモンなど低温で燻製にするやり方。わたしは趣味で燻製をやりますが、冷燻はちょっと大がかりになるので、普段はなかなかできません。この生ハム、こころもち水分が多くしっとりしていたのは、熟成期間がそれほど長くないのでしょう。もうすこしじっくり長期間熟成すれば、さらに素晴らしい旨味が出てくると思います。また、スライスが少々厚めだったので、水分の多さとも相まって食感がすこし重くて強くなっていました。もうちょっとだけ薄いスライスがいいなと個人的には思います。

 直売所でも豚の加工肉製品を売っていますが、発色剤や保存料が使われています。対象とするマーケット(消費者)を考慮すると、こういった添加物の使用はやむを得ないという判断も分かりますが、からりが生ハム作りに乗り出したことで(手間も時間もかかり単価も高くなる)、新たなマーケットの開拓を目指していると好意的に解釈したいと思います。作り手のレベルアップと同時に、レベルの高い消費者を「育てる」ことは、これからの地場食品に必要なことでしょう。

 レストランではサラダバーもやっていました。いまではサラダバーというとファミリーレストランでもどこでも見かけるものになっていますが、単にカット野菜を単品で並べるだけだったり、マヨネーズ多用の単調な味付けのものだったりすることも多いです。

 「からり」のサラダバーでは、きれいにカットされた野菜が、風味や彩りなど、ちゃんと考えられた組み合わせ(アレンジ)で盛られていました。そして、ドレッシング3種類も、からり製のものです。これでドレッシングが気に入ったら、帰りに買って帰ってもらえるという意味でも、しっかり計算されています。



はったい粉と柿のアイス

 もう一つだけ今回の発見を。「からり」は、地場の果物や野菜を使ったアイスクリームやシャーベットもおいしいです。今回は、「柿」と「はったい粉」のアイス。

 「はったい粉」は、大麦を炒って粉にしたもので、四国の地場アイス業界ではすっかりメジャーな定番商品になって、あちこちで食べられます。独特の香ばしさに素朴な甘みがあります。

 で、今回初めて食べた「柿」アイス。柿のつぶが入っていて、その甘みはとてもいい感じなのですが、周囲のアイスがちょっと濃くて、せっかくの柿の味が負けている感じでした。ベースのアイス部のクリーム分を減らすとか、柿をペースト状にでもしてベースのアイスに入れるなどの工夫の余地があるなと思いました。




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2004年10月31日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 7日目

秋祭りの幟立て延期

 今日は朝から雨模様の天気でした。明日11月1日は、地元の小さな八幡宮の秋祭りです。今年はうちが頭屋(とうや=当屋とも書く。輪番制)ということで、天気が良ければ、所定の場所に幟(のぼり)を立てることになっていました。十数メートルの高さの木を2本、コンクリートの支柱に立てて、幟をあげます。しかし、雨が続いたので、うちの親父は明日朝に延期を決定しました。けっこう適当に決めているようです。夕方に隣の組を見てみると、既に幟を立てていました。うちの組は、町村境をまたいでいて、隣村の家々が組の構成員の多数を占めています。小中学生の頃は、組単位で行う夏の神祭(じんさい)で、子どもが各家をまわってお金を集めて自分たちで花火や宝探しの準備をして、提灯を吊って、祭りをやりました。なので、組の範囲は、その頃の記憶で判断できます。

 そうそう、隣村も含めたこのあたりの合併協議会は頓挫しました。高知県内の合併協議会はことごとく破談しています。これはまさに県民性ですね。お隣の愛媛県では、合併協議会はほとんどスムーズに進んでいます(破談はわずか1組だけ)。隣同士なのにこの違い。県民性も両極端だと思います。

 夕方には雨が上がって、二重の虹が見えました。雨上がりの虹の美しさってさすがだな、と妙に関心してしまいました。そしてまた、高速道路を通って松山に戻りました。約150km、2時間の距離です。




地元スーパー偵察

 実家に帰る度に、周辺のスーパーをチェックしに行っています。特に、高知県内資本のサ○ーマート南国店には必ず偵察に行きます。サ○ーマートは、「地方」のスーパーチェーンとしてはかなり優秀で、県外資本のライバルも常にその動向を意識している、地方スーパーのトップランナーと言っていいでしょう。そのサ○ーマートの中でも南国店は、店舗面積だけでなく、その中身の充実ぶりでも県内トップクラスの支店だと思います。

 高知県は、共働き夫婦の率が高く(男は趣味に金を注いだり、稼ぎがよくないので、むかしから女がしっかり働いて強い)、そのせいもあって、高知県内ではスーパーの総菜売り場など「中食」部門が比較的早くから発達していました。サ○ーマートの総菜売り場も、とても気合いが入っています。中食の価値や、その良し悪しは別にして、現代日本の「地方」中食のマーケティングの先端を見ることができます。
 今日はあまりゆっくり時間がとれなかったので、中食部門はさらっと流しました。他の売り場で、とりあえず目についたのは、昨日も紹介したイタドリ塩漬け。けっこう大きくディスプレイされていました。その隣には、これまた高知のいまの季節に旬を迎える地場もの「四方竹」が並べられています。




四方竹

 四方竹(しほうちく)は、その名の通り、断面が四角い、細めのタケノコです。秋に出来るのも特徴です。南国市の山間部が名産地です。四方竹は煮炊きして食べたり、「田舎寿司」として中の空洞に寿司飯をつめたりします(高知の田舎寿司にはタケノコ寿司の他に、みょうが載せやコンニャク稲荷など、いろんな寿司ネタがあります)。
 四方竹のことは、少し前までは、県内でもあまり知られてなくて、地元消費と一部の高級料亭などでの消費に限られていましたが、ここ数年、地域食材のブームもあり、また地元で熱心に売り出したこともあって、かなり知名度もあがってきました。

 こうした地元食材も、サ○ーマートはきちんと売り場にポジションを与えています。POPも工夫していて、四方竹をつかった料理のレシピが後ろにあり、その加工食品も一緒に並べていました。
 しかし、サ○ーマートの四方竹の値段は少し高めで、他の地元小スーパーでは半値ぐらいの価格で四方竹が売られていました。昨日、うちの母が買ってたパックの写真です。




サバの干物(片身)

 結局、サ○ーマートをさっと一回りして、買ったのは、サバの干物(片身)×3つでした。このサバの干物も、愛媛県内ではあまり見かけません。しかしこのサバの干物は私の大好物です。高知に帰る度に仕入れていきます。
 アジの干物もうまいので大好きですが、私はサバの脂の濃厚な旨味の方がさらに好きです。しばらくサバを食べないと、禁断症状が出ます。最近では、「清水サバ」など、刺身で食えるサバの流通も増えましたが、やはり干物と、鯖寿司が鯖食文化の土台となっています。

 高知らしい干物では、他に、シイラのみりん干しが大好きです。高知はシイラをよく食べる土地で(外洋に面しているからか)、地元ではクマビキと称され、刺身(ぬた=酢みそ、それにニンニクの葉のすり下ろしを入れた緑色の酢みそも高知ではよく使います)で食べることも多いのですが、みりん干しもなかなかいけます。残念ながら、今日はシイラのみりんは無かったです。

 他に、魚売り場で気がついたのは、アサヒガニ(ずんぐり系で鹿児島や高知南部の砂地にいるカニ)が並んでいたのですが、なんとオーストラリア産でした。うーん、そこまでして・・・という気もします。このカニ、ダシは良いのですが、胴体の中の仕切(なんていうんえしょう?)が多くて、あまり身が多くない。

牛乳売り場から地域がみえる?

 その他の売り場で気がついたのは、商品のランクを微妙に落としている傾向があるかも、ということです。あのサ○ーマートが・・・・? 特に牛乳売り場では、低温殺菌牛乳の種類が激減していました。出荷曜日の関係があるのかもしれませんが、高知が誇るべき地元乳業メーカーひ○わり乳業の500mlパック1種類だけしか低温殺菌牛乳を見つけられませんでした。(ひ○わり乳業専務の吉○さん、どうですか?)

 私がスーパーのレベルチェックの指標として独自に使っている商品の一つが、この低温殺菌牛乳です。それをどれだけ置いてるか。単にその種類が豊富かどうかではなく、例えば、はるか遠く離れた地域の有名ブランド低温殺菌牛乳を置くのは、地域スーパーとして美しい姿勢・高い哲学があるとは言えません。その点、サ○ーマートの牛乳売り場は、以前から気になっていました。マーケティング主導系の高値の、しかし低温殺菌ではない四国外産の瓶入り牛乳をでかでかと置き続けているからです。

 日本では、牛乳という商品も、きちんとした基準で消費者が評価できていないものの代表だと思います。その風味や生産方式が評価されるのではなく、単に栄養分や価格という基準だけで評価されています。激安の牛乳がある一方で、たいした内容のない牛乳がビン入りになって土産物用に異常な高値で売られています。
 以前に書いた山地酪農の牛乳なんか、ほんとにおいしいんですが・・・それをおいしいと理解できる舌をまず育てるところから始めないといけないと思っています。私の授業では、たまに牛乳の試飲をやったりしますが・・・。

 高知には、ひ○わり乳業という全国の地域乳業メーカーの中でもトップクラスの優秀で良心的な会社がありますが、身近な存在であることが災いして、地元では正当な評価を得ることが難しい部分もあります。これは地域メーカーに共通する問題でもあると思います。安定剤など無添加のほんとうの(=ただの)「生クリーム」を製造している地域乳業メーカーというと、分かる人には分かってもらえるでしょう。残念ながらサ○ーマートは、この「生クリーム」も扱ってないです。

 以上、ちょっと気になる兆候を見つけたので、これからよりいっそう真剣に地元スーパーチェックをやっていきたいと改めて心に誓いました。地域の良いモノを受け継いでいくためには、生産者側の努力だけでなく、流通や小売りの側、そして商品を評価して選んでお金を払って買って食べる消費者の側の力も同じように必要です。

 これで1週間の記録を終わります。食べ物、農作業ネタなど、わが研究室の活動をごらんになりたい方はこちらへどうぞ。




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2004年10月30日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 6日目

四国山地の台風の痕

 この週末は高知の実家で過ごしています。今日の昼は、松山から高速道路を通って来ました。高速から眺めるだけでも、西条市や新居浜市のあたりで、今年の台風の爪跡がよく分かりました。

 山は緑に覆われていますが、その所々に、櫛で梳いたような隙間があります。斜めの位置からでは分かりづらいですが、正面に来ると、森のなかに赤茶色の空き間が出来ているのが分かります。山の上の方から数メートルから20メートル以内ぐらいの幅で、赤茶色の帯がはるか下まで続いています。人工林が3列ぐらい上から下まで数十メートルから数百メートルにわたって抜けた痕です。
 こうした赤茶色の列が、高速から見るだけでも、周囲にあちこちありました。これが全て、土砂崩れの現場です。それが、ほんとうに人工林だけに見られます。山の尾根から数百メートル下まで抜けたような場所もありました。想像するとぞっとします。手入れされない裏山の人工林は、その家の財産となるどころか、生命を脅かす大きなリスクになっています。

 つい先日の台風で、高速道路が土砂崩れで埋まって通行止めになっていた新居浜の某所もはっきりと認識できました。崩れた場所は、たいして急でない斜面で、まさかここが崩れるとは・・・という場所でした。幅数十メートルにわたって崩れた土砂が、4車線の高速道路を覆ってしまった現場です。土砂崩れの要因として、地質の関係も指摘されていますが、山の形からして、地下の水みちになっていたような気もします。
 高速から見える沢筋には、巨大な岩がごろごろと転がっているところもありました。砂防ダムもほとんど埋まっています。
 台風の猛威も確かに怖いですが、この山の(特に人工林の)荒れ方は、不気味な怖さを感じさせるものでした。

南国市の道の駅「風良里」

 高速道路で高知県側に入って南国インターで降ります。その出口すぐのところに道の駅「風良里(ふらり)」があります。ここの直売所もなかなか良いモノがあるんですが、今日は午後3時過ぎに訪れると、ほとんどのコンテナが既に空っぽでした。せっかく立ち寄ったのに、買うものが無い状態です。前にも書いたように、人気の直売所ほど、すぐに売り切れ・品切れになってしまいます。ビジネスとして考えると、この商機がもったいないですね。

 「風良里」の直売所としての一番の旬は、春から初夏にかけてです。特に、南国市のブランド「まほろばトマト」。高知県は、春先から夏にかけてのフルーツトマトの産地がたくさんあり、そのレベルも日本一といってよいほど高いのですが、その中でも南国市の「まほろばトマト」は個人的に最近の「買い」です。ただ水を極限まで切りました、という最近のフルーツトマトは堅くて甘いだけですが、「まほろばトマト」は全体的に水切り具合がほどほどにバランスよく、酸味もしっかりあるものが多いです。トマトソース用として使える。
 このあたりの直売所でたまに、極上の「まほろばトマト」に遭遇します。これまでの人生で最もうまかったトマトは、「風良里」の近くにある別の直売所で買ったものでした。しかし、同じ生産者のトマトでも、当たりはずれはあります。その最高のトマトを買った翌日、同じ生産者のものを買っても大当たりが続かなかったことを記憶しています。

久保田のアイス

 さて、直売所で特に仕入れるものがなかったので、もう一つのお目当て、久保田のアイス売り場に向かいます。久保田というのは、高知では有名なアイス会社です。ここの商品は全体に水準が高く、手作り感と素朴さを残しつつ、上質な美味しさを実現しています。高知県内のスーパーやコンビニには、普通に久保田のアイスが置かれています。愛媛に暮らしていて寂しいのは、スーパーやコンビニで、森○とかロッ○とかグリ○とか、全国ブランドのアイスしか置いてなくて、地元アイスを置いてないことが多々あることです。この久保田のアイスは、地域食品加工業として地元に根付きつつ外でも高い評価を受けられるレベルです。県外に出しても恥ずかしくない、いや自慢できる久保田のアイス。
 久保田のアイスラインナップのなかで、私の一番のお気に入りは、夏場の「すももアイスキャンデー」(スティックバー・タイプ)。パンチの効いたすももの酸味がたまりません。

久保田食品のホームページ
http://www.kubotaice.co.jp/

 高知のアイスメーカーでは他に、規模は小さいですが、松崎冷菓も推薦しておきます。「あずきバー」はやっぱり松崎のが一番うまいと思います。最近では海洋深層水をつかった「海のバニラ」もおすすめです。ほんのり塩味が上品な甘さに転化したバニラアイスです。そのほか、高知では道路脇のパラソルで売っているアイスクリンあり、各地の道の駅等の地元オリジナルアイスあり、安芸市の若手農家集団「ぐるーぷ・ふぁーむ」の野菜アイス(焼き茄子アイス等)あり、このように中小メーカーや地元農家グループなど多様な主体が、土佐のアイス文化を担っています。(土佐のアイスは全体的にあっさり系が多いです。わたしの好みでもあります。)





碁石茶アイス

 さて、やっと今日のアイスにたどりつきました。今日、道の駅で食べたのは、久保田の「碁石茶(ごいしちゃ)」アイスです。碁石茶というのは、高知県大豊町で伝統的に作られてきた発酵茶(2次発酵、乳酸発酵させるお茶)のことです。最近は某昼のお○いっきりテレビとやらで紹介されてしまって、「健康食品」扱いされています。
 この碁石茶をアイスにしたものですが、味の方は、それなりにお茶の風味があり、味もあっさりで私の好みですが、特に際だった特徴というほどではないです。話題性商品の割には、おいしい、という評価が妥当でしょうか。碁石茶アイス食べるのはこれで2回目です。




実家の夕食

 高知の実家での夕食。七輪でサンマを焼くことになり、最初は庭でやっていたのですが、雨がぱらぱらときたので、外便所の軒下に避難しました。この外便所は、いまではほとんど使ってないですが、私の高校時代(1986年)まで、この奥にある薪焚きの風呂とともに使用していました。私の同世代で、風呂を薪で焚いていたのは日本中で何%いるのか、知りたい気もします。高知の山間部では、いまもまだ普通に薪で焚いているところも多いです。
 サンマ焼いて炭火が残っていたので、次はウルメ(イワシ)を炙ります。このウルメは、中土佐町久礼の大正町市場で親父が買ってきたということ。中土佐町はカツオ一本釣りで有名な街です。



ごぼ天

 ウルメと同時に、「ごぼ天」もあぶりました。魚のすり身などを揚げたものを高知では「てんぷら」と呼びます(「薩摩揚げ」のこと。愛媛では「じゃこ天」)。この「てんぷら」に、ゴボウが入ったものが「ごぼ天」です。高知では、なぜかこの「ごぼ天」がポピュラーです。愛媛ではほとんど見かけません。
 「ごぼ天」をかじってみると、断面はこんな感じです。ゴボウが入っているのが分かりますね。

 今日の晩飯は、七輪で焼いたサンマとウルメ、ごぼ天、で、ビールがうまかったです。サンマには、ブシュカン(仏手柑)をたっぷり絞りました。ブシュカンというのは、酢ミカンの一種です。酢ミカンというと、高知では他に「直七(なおしち)」という品種もあります。ブシュカンも直七も、ユズやすだちより酸が強い果汁です。





イタドリ

 他に晩飯のおかずとしては、田芋(里芋)の炊いたの、イタドリを煮たものが出ました。イタドリ(スカンポ)は、高知ではよく食べます。塩漬けにして我が実家でも常備してます。潮を抜いてから、煮たり、油で炒めたり(これがうまい)して食べます。

 写真をたくさん紹介したかったのですが、1日5枚までという制限がありますので、とりあえず今日はこれで終了。




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2004年10月29日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 5日目

福島県から青リンゴとラフランスが届く

 このブログもやっとリアルタイムに近づいてきました。

 今日は、福島県福島市の知り合いの農園から、青リンゴの王林&名月、それからラフランス、計1箱が届きました。ここのリンゴ、ラフランス、どちらも極上の味です。この農園の果物を味わってもう8年ぐらいになります。おかげで、その辺のスーパーでは桃もリンゴもラフランスも買う気がおきません。
 この田村果樹園の後継者であるTさんと知り合いになったのは、インターネット普及以前のパソコン通信の時代でした。それが今から9年ほど前になります。農園のホームページも彼が農作業の傍ら自分で作成しています。

 この田村果樹園。夏は、数種類の桃を出荷していますが、私のお気に入りは「あかつき」です。ワイルドな甘さが大好きです。秋になるとリンゴの出荷が始まります。リンゴもたくさんの種類を栽培していて、そのどれもが最上質のおいしさです。私は特に、この時期の青リンゴ、王林が大好きです。王林は、スーパーの店頭に並んでいるものはどうしてもスカスカになってしまいがちなのですが、田村果樹園から毎年、取れたてを直送してもらって、シャキシャキの青リンゴを味わっています。青リンゴは、部屋に置いておくと爽やかなよい香りが漂いますが、この香りも大好きです。さっそく今年の王林を食べてみましたが、さすがの食感とおいしさでした。文句ありません。




研究室にいた学生にも食べてもらいましたが、こんなおいしい青リンゴ初めて食べた、と言ってました。おいしいものが届くと、よくこうやって学生に味見をさせるので、学生たちは「餌付けされてる」と申しております。

 今回届いたラフランス(洋なし)は、まだ固かったので、しばらく熟成させて柔らかくして食べます。来週あたりに食べ頃になるでしょう。田村果樹園では、実験的に?「ル・レクチェ」という珍しい洋梨の品種も作っていて、昨年はそれを味見させてもらいました。




大学で「地域リーダー養成講座」開講

 今日から、松山市役所と愛媛大学の共同事業「地域リーダー養成講座」がスタートしました。松山市は今年から市民主体の地域コミュニティづくりに取りかかりましたが、その一環として、まずはそれを担う人たちと一緒に地域づくりを考えていこう、という趣旨です。

 松山市の地域組織は、独特の事情があって非常に複雑な形態になっています。そして現在は、地区公民館が地域づくりのほとんどの事業を担う形に(意図せずに)なっています。公民館は、本来は社会教育法上の制限がありますし、行政が設置するいわば「官」の側のものです。それを、純粋に「民」の側、地域住民が全体として地域づくりを担っていくような形にしていこう、というのが大きな方向です。しばらく前から、日本各地に、地域住民の自主的な組織として「まちづくり協議会」が設立され、それが地域づくりを担っていく試みが広まっていますが、松山での今回の取組も、そうした流れを意識しています。

 今日から1年間の講座がスタートします。集まったメンバーは松山市内のいくつかの地区から計40名。みなさん、これまで地域づくり活動を自ら中心になって実践してきた方ばかりです。年齢層もやや高め。今日は1回目でもあり、地元の強者たちを前にして、さすがに私も少し緊張しました。

KJ法でワークショップ

 今日は、さっそくグループ作業で、「地域の活動にかかわって、よかったこと・うれしかったこと、困ったこと・つらかったこと」を出し合って整理してもらいました。ここでは、ワークショップでよく用いられるKJ法という、カードを使ってグループ作業してもらう手法を使いました。
 参加者に尋ねてみると、KJ法を使ったことがある人が思ったより少なかったです。なので、この方法を体験してもらう意味もあったし、また、こうしたグループ作業で意見を出し合った経験が思ったよりも少ない、ということも分かりました。このあたり、地域活動でのみなさんの悩みとも関連していそうで(担い手が少ない・・・など)、だから逆に今後が楽しみでもあります。
 各班のまとめを発表してもらって、頷いたり、突っ込んだり。初回にしては、とても盛り上がって、無事に終了しました。このメンバーでこれから1年間一緒に考えたのちに、各地区の住民の手で地域の将来計画を作っていくことになります。




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2004年10月28日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 4日目

夜間主コースの授業

 25日月曜日(の話をまだ続けます)。

 夕方に松山市内の大学に戻って、学生は解散、ですが私はまだ仕事があります。夜間主コースの授業です。愛媛大学のわたしたちの学部には国立大学ではめずらしい夜間主コースがあり、社会人もたくさん学んでいます。わが研究室にも、社会人学生が何人もいて、仕事をしながら学ぶ姿に、私も一般の学生もみな、とてもよい刺激を受けています。

 月曜日の夜間主コースの授業は、共通教育科目(かつての教養科目)で、1回生や2回生の受講が多いクラスです。大教室で100人ぐらいの受講生を相手にする講義形式の授業で、「現代社会を考える」という枠のなかで個別テーマを「食と環境」にしています。

ファーストフードの栄養成分

 10月から始まった後学期は月曜日に祝日があったため、この日がまだ3回目でした。この授業の前半は、ファーストフードから現代社会を考えてもらうように構成しています。このクラスは、社会人学生もいますが、一般の年齢の学生が8割ぐらいを占めているので、彼らに身近なファーストフードの話はかなり熱心に聴いてくれます。

 先週は、マク○ナルドやモ○バーガーのホームページから各商品の栄養成分表を見てもらいました。各社のホームページに行くと、ハンバーガーやフライドポテトやドリンク類など全ての商品の栄養情報を見ることができます。
 主要なメニューの栄養情報を見てもらって、学生たちにインパクトがあるのは、フライドポテトのカロリー&油脂分の高さです。マク○ナルドのフライドポテトは特に、レギュラーサイズでも450kcalほどあります。これだけで普通のハンバーガー以上のカロリーがあります。また、ハンバーガーの中でも、テリヤキ系は実はかなりカロリーが高い、という事実も学生にはショックなようです。セットメニューで、テリヤキとポテトとコーラを選ぶとそれだけで1000kcalになりますし、油脂分は一日の標準摂取量の100%に達してしまいます。また、ファーストフードのメニューには、カロリーや油脂分はたくさん含まれていますが、ビタミンやミネラル類は少ないこと、など実際に個別のメニューを見ながら確認してもらいます。モ○バーガーのメニューも見せますが、例えばフライドポテトのレギュラーサイズのカロリーはマク○ナルドのポテトの半分だったりします。
 普段、ばくぜんとしか感じてないファーストフードの栄養成分について、自分で見て確認する機会を提供すると、彼らの意識もだいぶ変わっていくようです。
 

ファーストフードを食べ続けるドキュメンタリー映画

 この日の授業は、ファーストフードの栄養成分の話から引き続いて、アメリカで社会問題となっている肥満について考えてもらいます。アメリカでは、肥満は個人の問題ではなく、社会の問題と考えられるようになりつつあるようです。例えば、アメリカでは、低所得層に肥満が多いというデータがあり、その大きな要因として、「安いお金でお腹いっぱい」になるファーストフード依存の食生活が挙げられています。

 この日は、ちょうど良いタイミングで情報が入ってきたので、アメリカで今年公開されたドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』のことを紹介しました。この映画は、監督自身が、毎日3食、一ヶ月間マクドナルドで食事を続けた様子を記録したものです。マクドナルド以外の食べ物飲み物は口にしない、店員に「スーパーサイズ」を勧められたら必ず「イエス」と答える、などという条件のもとに、監督自身が実験台になります。
 このドキュメンタリー映画は、アメリカで話題になり、日本でもこの冬公開されることになったようです。以下が、日本語の公式サイトです。予告編もありますので、ぜひごらんになってください。男性にとっても必見の内容が出てきます。

『スーパーサイズ・ミー』日本語公式サイト
http://www.supersizeme.jp/

 この実験の結果、それまでスリムな普通の体型だった監督は、たった一ヶ月で激太り、内臓もおかしくなって・・・ということですが、あとは見てのお楽しみですね。その監督が、すっかりスリムに戻って、先週プロモーションのために来日したことがニュースになっていました。
 この映画の紹介、学生たちはさすがに真剣に聴いていたような気がします。


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2004年10月27日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 3日目

檮原町の棚田見物

 25日月曜の午後、四万十源流の東津野村で山地酪農のソフトクリームを食べた後、夕方までに松山に戻るように出発しました。途中、隣の檮原町神在居の棚田をざっと見物していきました。ここは、棚田オーナー制度発祥の地です。付近を通過するときに、たまに見物していくのですが、来る度に石垣や道路が整備されています。

 この棚田はさすがに大規模で、学生たちが「いつも」農作業に通っている西土佐村の棚田とはスケールが大違いです。この棚田を見て、彼らがどう感じたのか楽しみです。
 この日は、既に稲刈りが終えられた棚田に稲の束が稲木にかけられていました。曇り空でした。




研究室の棚田ブログ

 西土佐村の棚田での作業の様子は、わたしたちの研究室のブログに、学生たちが主体で報告を続けています。現在は私のイタリア農家民宿めぐりの記事がブログを占領していますが、数日中に、西土佐村での脱穀作業や今年の新米の味についての記事が掲載される予定です。

 先日の脱穀作業の日の西土佐村の棚田の写真だけ載せておきます。真っ青な秋晴れの空でした。



内子町の道の駅「からり」

 四万十からの帰り道には必ず愛媛県内子町の道の駅「からり」に立ち寄ります(この日は撮り忘れたので春の写真を使います)。

 「からり」は農産物直売所が充実していて全国的にも有名になっていますが、まずは、食券を買ってアイスクリームを食べます。季節の果物を使ったここのアイスはなかなかの味です。今回は、「はったいこ」アイスを食べました。「はったいこ」は、大麦の粉を炒ったもので、それを使ったアイスは甘さ控えめで、はったいこの香ばしさが引き立つおいしさでした。
 愛媛県内では、こういった地のものをつかったアイスをそれほど見つけることができなくて、からりはその中では断然トップです。隣の高知県内では、各地にオリジナルのおいしいアイスがあります。アイスやシャーベットのレベルは、高知の方がちょっとだけ高いと思います(わたしの高知県内お気に入りは、窪川のしょうがアイスと安芸のみょうがアイス&トマトシャーベットです)。

 アイスを食べながら、からりの直売所を偵察します。ここは付近の直売所のなかでもダントツに品揃えが豊富です。全国的に農産物直売所は大人気ですが、人気の直売所ほど開店早々に品切れになるものが多く、午後に訪問したらほとんど買えるものが残っていないことがあります。ここ「からり」は、いつも(午後に訪れても)品切れが少なく、買いたいものがたくさんあります。それを支えているのは、農家が自分の商品の売れ具合をリアルタイムに自宅で把握できるPOSシステムです。このシステムは非常によく出来ていて、今では各地の直売所に取り入れられています。

 この日は、富有柿を一袋だけ買って帰りました。



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2004年10月26日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 2日目

農家民宿「はこば」から無手無冠酒造へ

 25日月曜朝。高知県大正町中津川の農家民宿「はこば」で1泊し、朝食を食べてのんびりしてから出発しました。この日は夕方までに松山に戻ればよいので(私は夜間の授業あり)、四万十川中上流域の要所を見物していくことにしました。
 まず大正町の街にある無手無冠(むてむか)酒造に向かいました。途中の山道は、台風による被害で崖崩れ、25分止め5分通行になっているので、その時間にタイミングを合わせて通過します。

 無手無冠酒造は、10年以上も前から、地元の米にこだわり、無農薬の米で酒造りをしています。日本酒以外にも、「ダバダ火振り」という栗焼酎をつくっていて、この焼酎はかなり知られています。また最近は、紫芋で自然の美しい色を出した「ダバダロゼ」という焼酎も話題になっています。某有名ソムリエがテレビで紹介してから、多数の問い合わせで、なかなか外には出せない状況になっています。

 ひさしぶりに山本社長の顔を見ようと突然訪問したのですが、元気で安心しました。余裕があれば学生たちに蔵を見せてやってほしい、と頼むと、「予約して来い」と叱られながらも、笑顔で学生たちを案内してくれました。
 ちょうど新酒の仕込み用に、酒米が蒸し上がるところでした。山本社長は、地元にこだわった酒造りを熱く語っています。卒論で宮崎の焼酎について書いている4回生(宮崎県出身)は、さすがに真剣に聞いています。



醸造用のタンクを覗くと、泡がぷくぷく、酵母が活動している様子がよく分かります。昔ながらの酒槽もある。古い木造の蔵の中には、甘い香りと、ひんやりした独特の空気が漂っています。栗焼酎の仕込みは既に終わっていましたが、焼酎用の仕込みタンクや蒸留機を見せてもらったあと、蔵人用の部屋で焼酎の味見をしながら山本社長に話を聞きました。
 無手無冠酒造では、地元の無農薬米にこだわった酒造りをしていますが、山本社長が個人的に研究して、紙マルチ栽培を農家に提案して実現しています。また、全国的に焼酎粕の海洋投棄が(密かに大きな)問題になっていましたが、この蔵では早くから焼酎粕を発酵させて肥料として農家に提供する仕組みを作っています。

 山本社長の熱い語りと、強烈な個性に、学生たちは強いインパクトを受けたようです。私は10年以上前のまだ学生だった頃から、山本社長と付き合いがあってお世話になっています。たまに通りがかりに山本社長の顔を見に寄って行きますが、これから蔵見学をお願いするときは必ず予約して行こうと反省しました。この日のように、どんなに忙しくても見学を引き受けてくれるので。

 お土産用の栗焼酎やダバダロゼを買い込み、無手無冠酒造を後にしました。四万十上流の山間の細い道を走らせて檮原町方面に向かいます。大正町の中心地から隣の檮原町の中心地までは、以前は車で2時間かかったのですが、今年トンネルが開通して、1時間に短縮されました。隣町まで車で2時間、という世界がつい最近まで四国にありました。


Youファームの山地酪農ソフトクリーム

 四万十源流の東津野村は、檮原町の隣です。この村の国道沿いに、小さなログハウスが建っています。ソフトクリームの店で、4年前にIターンでやってきた片倉さんが営業しています。ここのソフトクリームは、片倉さんの山地酪農の牛乳を原料に作られています。

 山地酪農というのは、文字通り、急傾斜の山に放牧する酪農です。というと、それがそんなに珍しいものなの? 普通じゃない? という人も多いでしょう。確かに、ヨーロッパの山岳地帯(アルプス周辺)など、急傾斜の山に牛が放牧されている映像は、写真やテレビでよく目にすると思います。しかし、日本では、山に牛を放牧している牧場というのは、(悲しいことに)ほんとに珍しいのです。日本では、ほとんどの牛が牛舎の中で飼われています。野外の運動場程度を持っているところはたまにありますが、1日中牛が過ごせる(牧草を食べられる)ような放牧地を持っている牧場は、北海道をのぞくと、本州以南にはごく僅かしかありません。

 片倉さんの牧場は、四万十源流の不入山(いらずやま)を正面に望む、標高600m前後の山の斜面にあります。放牧されているのは、茶色のジャージー種です。ジャージーは小柄で足腰が強く、放牧に適しています。片倉さんが搾乳用に飼っているのは3頭だけ。それを全量ソフトクリームなどに加工して販売しています。現在の日本では、本州以南の平均的な牧場は、少なくとも50頭以上、100頭以上の牧場も普通にあるなかで、3頭だけの牧場は異色中の異色です。生乳として出荷するのではなく全量をソフトクリーム等に加工して販売するからこそ成り立つ経営方式です。




乳製品加工販売の意義

 日本では酪農家の自家加工乳製品販売の規制が厳しく、また伝統的に乳製品の食文化も無かったため、ほとんどの酪農家は生乳として乳業会社に出荷するだけです。牛乳は、みなさんの近所のスーパーで1Lが200円以下で売られていますね。農家の手取りは、生乳1Lあたり100円以下です。生乳を加工してソフトクリームやチーズなどの乳製品にすると、少なくとも10倍以上の価値を生み出します(ヨーロッパの伝統的な山岳酪農は、チーズなどの乳製品加工に支えられている部分が大きいです)。だから、片倉さんも3頭の牛だけですが全量を加工販売するだけで、家族を養っていける経営ができているわけです。

 片倉さんは家族とともに4年前にIターンで東津野村にやってきました。引っ越し当初は、荒れた山林と藪だった山を、少しずつ手入れして、ノシバを植えたり牧草地として整えていきました。私はそのころ高知に住んでいて、福井県の牧場にいる頃から知り合いだった片倉さんが四万十に引っ越してくるということで、放牧地の整備でノシバを植えたりするのを手伝ったことがあります。営業準備のため保健所などとのやりとりの苦労も見てきました。いまは、ソフトクリームの味が評判になり、山の中の国道沿いに1軒だけぽつんとあるこの店にも、そこそこのお客さんがやってきます。この日も平日だというのに、ツーリングのライダーや家族連れなど何組もやってきていました。

 さて、この山地酪農の牛乳でつくったソフトクリームのお味は・・・。ジャージーの独特の濃厚な牛乳の味がしますが、しつこくなくあっさりとしたキレ。牛乳自体の甘みと糖分の甘みだけの、ほんとにシンプルですが、味わいの深いソフトクリームです。既製のソフトミックスで作ったソフトクリームの味しか知らない人が食べたら驚くでしょう・・・牛乳の味がするから。牛乳のおいしさが分かる味と言ってもいいですね。
 うちの学生たちも、このソフトクリームは今まで自分たちが食べていたものとは別のモノだということを感じたようです。その場では、これ以上のことは聞いていませんが、いま感想をレポートにまとめてもらっていますので、できあがりを期待してます。



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2004年10月25日

愛媛県松山市 愛媛大学 野崎賢也 1日目

はじめまして。四国の大学で社会学を教えてます。
 専門は、地域とか環境といった分野です。高知出身で、高知が好きなので、土台は高知、少し広げて四国ぐらいの範囲をベースに思考と実践をしていきたいと思ってます。

 24日(日)は、学生たちと四万十川流域の山のなかにある農家民宿「はこば」(高知県大正町中津川)に泊まってきました。(リンクがうまくはれてないようなのでURLを。http://park7.wakwak.com/~hakobas
 松山市から車で約3時間。檮原町側からトンネルが開通して、所要時間がだいぶ短縮されました。

 7月に中津川地区で「泥んこ運動会」が開催され、そのとき出場した愛媛大チームは大活躍で「泥んこ大賞」をもらいました。その副賞が、農家民宿宿泊券で、今回はその権利を利用させてもらいました。

 到着したのは夕方です。農家民宿「はこば」では、夕食までのんびりとくつろぎました。いつもと大違いです。「いつも」というのは、西土佐村の棚田に通ってる時のことで、そこに到着すると、学生たちは休む間もなく動き始めます。
 正式名称「木賃ハウス」という自炊の宿を拠点にしていて、そこには電気はありますが、ガスがなく、煮炊きや風呂焚き・暖房など全て、薪や炭など木質エネルギーを利用します。「いつも」は、そこに到着すると、すぐに火をおこして煮炊きの準備をしたり、薪を割って風呂を焚いたり、とにかく作業を始めないと、メシが食えません。
 が、今回は、大正町の農家民宿です。1泊2食付き。なにもしなくても、おいしい料理が食べられます。風呂も沸いています。夕食前にくつろげることが、大変ありがたく幸せなことだとしみじみ思えました。



農家民宿「はこば」は、田辺荘市・客子(ひとこ)夫妻がやってます。畑の野菜や山の幸をつかった客子さんの料理は、ほっと落ち着くというか、安心する美味しさです。センスあるちょっとした気遣いが、料理をよけい美しく、おいしくしています。この晩も、山の幸を堪能しました。

 囲炉裏を囲んで、炭火をおこして夕食のはじまりです。



料理の写真は少しか紹介できないので厳選して。

 今日のサラダは、柿の黄色に赤カブの色がとてもよく映えていて見た目も美しく、おいしかったです(が、画像は省略)。

 右の写真は、田芋のコロッケです。「たいも」というのは里芋のことで、高知では普通にこう呼びます。コロッケをサクッと囓ると、田芋だけでない甘みを感じます。真ん中に入っていた栗の甘みです。とてもおいしかったです。



他の料理は。

 原木栽培のシイタケ、マイタケをシンプルに炭火焼き。刺身で食べてもいけそうなシイタケでした。

 鶏ササミの燻製。塩味はきつくなく、ほのかに甘みを感じる飴色の燻製でした。
 ゆで卵の燻製。これも同じく、塩味がやさしくて、いい塩梅でした。もちろん卵も鶏肉も「はこば」のものです。

 マイタケの炊き込みご飯。よい香りで、ジャコの旨味と合っていました。

 そして、シシ汁(右の写真)。猪の肉と、シイタケや野菜の汁なのですが、これが最高でした。猪の鍋は、味噌を使うことが多いと思いますが(四万十流域でも味噌が多い気がします)、ここの汁は、ごくあっさりのしょうゆ味でした。猪の臭みも全くなく、肉は軟らかく煮込まれていて、すごくよいダシが出て、シイタケと相乗効果の旨味でした。何杯もおかわりしました。


そして、放り漬け。大根のスライスを一晩米のとぎ汁に漬け、それを鍋に入れて、ジャコや味噌と一緒に炒め煮して食べます。この付近でも中津川集落だけにつたわる伝統的な料理です。飲んだ後でもすんなり食べられます。

 自家製のコンニャクと味噌で、田楽も食べました。

 これでもうお腹いっぱいになりましたが、最後のデザートはもちろん別腹です。
 くり抜いたユズの中に、梅のゼリー寄せ(写真)。これがほのかに甘く、さわやかな酸味で、暖まった身体にすっきり気持ちよかったです。

 山の幸の料理を堪能して、風呂に入って、ゆっくりくつろぎました。

 そうそう、料理の後かたづけ、洗い物もしなくていい、学生たちとすっかり贅沢な気分で、床につきました。そうそう、これまた「いつも」は、畳の上にそのまま寝袋で寝ているので、ふかふかの布団に寝れる幸せを、学生たちとしみじみと感じました。



posted by LJ21 at 21:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 愛媛県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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